2020 Fiscal Year Research-status Report
テクスチャ解析によるビッグデータを用いたMRIによる前立腺癌診断能の向上
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19K08224
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉田 耕太郎 金沢大学, 附属病院, 特任准教授 (30645130)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / テクスチャ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院における前立腺癌に対する手術症例リストから前立腺全摘症例350例を抽出した。様々な臨床的背景(年齢、身長、体重、BMI、生検前PSA値、前立腺生検の結果、臨床病期)を電子カルテから抽出した。前立腺生検結果、外科的切除における病理結果は病理診断レポートを参照に情報を抽出した。またこれらの症例群において、手術前のMRI画像の有無を検索し、画像における癌の存在の有無、存在している場合に場所(PI-RADS v2のセクターマップに準じる)、病変の画像所見、T2強調像、DWI、ADCmap、ダイナミック造影所見を病理結果がわからない状態にて2名の放射線科専門医で評価した。当院の画像においてはプロトコールが統一されているが、他院の画像では様々なプロトコールにて撮影されているために、撮影条件に関しても情報を抽出した。 また前立腺癌全摘症例での組織全体および前立腺癌部の病理学的所見と画像所見の対比のために、病理プレパラートをバーチャルスライド化し、病理学的特徴との検討を開始した。具体的には、代表的切片をPI-RADS v2のセクターマップに準じて、36領域に分け、上皮成分、間質成分、管腔成分に分離することを行っている。現在各々の症例における染色追加を順次行っている。解析には顕微鏡一体型の病理解析ソフトを用いて、上記の3成分の定量化を進めている。背景の正常前立腺部および前立腺癌部の病理学的所見(上皮成分、間質成分、管腔成分の比率)、癌の場合のグリソンスコアを取得し、これとMRI所見との対比を行う。さらに画像から病変部の検出、グリソンスコア予測システムの構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染に伴う制約などから、追加の染色や顕微鏡での解析が遅延している。今後は可能な限り効率的に研究計画の成果を出せるよう鋭意研究を遂行していく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は症例把握や該当病変部のリスト化などは順調に行われており、順次追加の染色を行い顕微鏡での解析を進めていくことが必要となる。予定より研究が遅延しているが、今後は可能な限り効率的に予定された研究計画の成果を出せるよう鋭意研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染に伴う研究制限があり、予定より使用額が少なかった。次年度はさらに計画的に画像解析、病理解析を行うために予定の使用額を使用する予定である。
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