2022 Fiscal Year Annual Research Report
4D flow MRIによる肺高血圧症の早期発見と治療効果判定法の開発
Project/Area Number |
19K08229
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
村山 貞之 琉球大学, 医学部, 非常勤講師 (60239548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 充展 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60533081)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 4D flow MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
1研究の目的 本研究の目的は、肺動脈4D-PC-MRIによる肺高血圧の評価法の確立である。4D-PC-MRIによる各種研究の発表が、最近増えてきている。それは、この方法に関するMR装置のソフトウェア開発が進んで来たためで、特に今回われわれの施設に導入されたPhilips社の3T装置では、標準装備されている。既に先行研究で、血管内の血流は、順行性血流、逆行性血流、渦流の検出、エネルギーlossや血管壁剪断応力が計測できることが判明しているが、肺動脈に利用して肺高血圧の程度や治療効果の評価に用いている研究は少なく、今回の検討では、Philips社製3T装置を用いて、既に4D flow MRIを導入している東京女子医大 放射線科の長尾充展准教授との多施設共同研究を行う。その結果は普遍的な指標の開発につながると思われる 2研究方法 本研究では4D flow MRIを用いて、ファロー四徴症(TOF)修復術後患者を評価するための新しい血行力学的パラメータとして、主肺動脈における渦流の積分であるcirculationを調査した。TOFを有する20人の患者に4D flow MRIを施行し、circulation、右心機能と肺動脈弁逆流との関係を評価した。3研究の成果 20人中15人の患者(75%)に4D flowで主肺動脈に異常な渦形成を認めた。主肺動脈circulationは右心機能と相関が見られた。肺動脈弁逆流とcirculationまたは右室機能の関係は有意ではなかった。主肺動脈におけるcirculationの増加は、TOF修復術後患者における右室機能障害に関連していることが示唆された。本研究結果はScientific Reports 20221 Jun 2; 11(1):11623に掲載された。またこれまで継続してMRIによる肺血流評価をテーマとした研究成果を国内外へ発表してきた実績から、第55回福岡胸部放射線研究会および第13回呼吸機能イメージング研究会において招待講演の機会を得た。
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