2021 Fiscal Year Research-status Report
膵癌の粒子線治療のための革新的な治療計画最適化アルゴリズムの開発
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19K08232
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
歳藤 利行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30377965)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / スキャニング照射 / 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度までは水を標的として治療計画のための最適化アルゴリズムの検討をすすめてきたが、2021年度は臨床データの解析に着手するために、CT画像上での計算に必要なソフトウェア開発の検討を行った。最適化アルゴリズムとしてはBroyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno法を採用し、C++言語により実装する。また、計算を高速化するためにグラフィックス プロセッシング ユニット(GPU)を使った並列計算とすることにした。また、本研究に関連して適応放射線治療とリアルタイム粒子線治療に関する国際共同研究の申し出を受けたので参加した。研究内容は呼吸性移動対策の調査研究であり、本研究が対象とする粒子線のスキャニング法を用いた膵癌の治療方法についても調査・議論されている。ヨーロッパ、日本、アメリカ合衆国を中心とした、全世界の粒子線治療施設にアンケートを依頼し、結果を分析した。分析結果は呼吸性移動対策と適応放射線治療についてまとめられた。呼吸性移動対策に関しては近年、スキャニング照射の普及に伴い世界的に呼吸同期照射がひろまっているが、日本ではブロードビーム照射の時代からすでに世界に先駆けて呼吸同期照射の臨床利用がすすんでいた実態がデータとして示された。また、本研究が対象とする粒子線のスキャニング法を用いた膵癌の治療への期待と克服すべき技術的課題が明らかとなり、特に適応放射線治療の重要性が示唆された。この結果は本研究を効果的に臨床応用するための重要な指針となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計算アルゴリズムの開発が予想以上に難航したため
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Strategy for Future Research Activity |
名古屋陽子線治療センターにおける過去の膵癌の治療データ約70症例の分析をすすめ、本研究で開発した手法の有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため学会発表を複数回見合わせたため。令和4年度に成果発表のために使用する。
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