2022 Fiscal Year Research-status Report
膵癌の粒子線治療のための革新的な治療計画最適化アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
19K08232
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
歳藤 利行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30377965)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / スキャニング照射 / 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度から本研究に関連して参加しているリアルタイム粒子線治療と適応放射線治療に関する国際共同研究は、これらの現状と技術的課題を明らかにすることが目的であり、ヨーロッパ、米国、日本を中心とした世界規模でのアンケート調査に基づいて行われた。17か国70施設からの回答が得られ、地域ごとの回答率はヨーロッパ100%(23/23)、日本96%(22/23)、米国53%(20/38)であった。 リアルタイム粒子線治療については稼働中の68施設中85%がリアルタイムな呼吸性移動の管理をしており、64%が主に外部マーカーを使ったゲーティング照射を行っている。また41%はリスキャンと併用している。主に肝臓や肺癌への適用がされているが本研究が対象とする膵癌についてもその次に多く行われている。リアルタイムな呼吸性移動の管理を行っている施設のうち約半数は適応の拡大や改善を求めているが、様々な技術的課題が障壁となっており、その中でも商用治療計画ソフトウェアへの4次元線量分布計算の導入が最も求められていることが分かった。 適応放射線治療については、標的とリスク臓器の線量評価をもとに現状ほとんどはCT画像を用いたオフライン方式で実施されており、日毎のオンライン方式で行っている施設はない。68%の施設は手法の改善を求めているが、ワークフローの確立と人的資源の確保が課題となっていることが分かった。 これらの結果は本研究の臨床利用にとって重要な知見をもたらすものであり、2本の論文にまとめられPhysics and Imaging in Radiation Oncology誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計算アルゴリズムの開発が予想以上に難航したため
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Strategy for Future Research Activity |
名古屋陽子線治療センターにおける2022年度までの膵癌の治療データ111症例の分析をすすめ、本研究で開発した手法の有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため学会発表を複数回見合わせたため。令和5年度に成果発表のために使用する。
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Research Products
(7 results)