2019 Fiscal Year Research-status Report
経皮経後腹膜的腎交感神経ラジオ波焼灼術~新たな高血圧治療への検討~
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19K08234
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山本 晃 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60419695)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腎交感神経除神経術 / ラジオ波焼灼術 |
Outline of Annual Research Achievements |
治療抵抗性高血圧患者における新しい治療選択肢として期待されていたカテーテルベースの腎交感神経除神経術[renal sympathetic denervation(RDN)]は、大規模臨床試験Symplicity HTN-3によってその有効性を示せなかった。RDNは腎動脈周囲の交感神経をカテーテルベースの専用の高周波電流デバイスを用い、腎動脈の中から、腎動脈を傷つけずに周囲の交感神経の焼灼を行うものであるが、試験失敗した原因の一つに交感神経の焼灼が症例によって十分に行われなかったことが推察されている。一方経皮的ラジオ波焼灼術[percutaneous Radiofrequency ablation(pRFA) ]は、主に肝細胞癌で標準治療となり、その高い焼灼効果から多種多部位の癌に適応が拡大されている。本研究の目的は、pRFAをCTガイド下で経皮的に腎動脈周囲に行い、腎動脈周囲の交感神経を外側から確実に行う方法を、動物実験を用いて有効性・安全性を確認することである。本研究においては、当初片側腎でのpRFAを考案していたが、より効果を高めるために両側の焼灼を行うこととした。またそれに伴い、両側の穿刺焼灼が可能かどうかを確かめる必要がある。本年度に施行した研究は、予備実験と異なり、両側穿刺の施行可能性につき、動物実験を行った。また、RFA焼灼用穿刺針の焼灼範囲を1.5cmにし、広範囲の焼灼を行うこととしたが、その安全性についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、動物実験に対する技術力を必要とする手技が必要で、実験手技の確立が研究の成否の大部分を占めることとなる。現在2頭、両側腎動脈周囲穿刺を行い、1頭で少量の結手を認めたものの両側穿刺は成功した。また焼灼範囲を拡大したため、安全性を確認するためにも現在血圧、採血データとともにCTによる経過観察と、生存できるかについて確認を行っているが、消化管穿孔は認めず、安全に治療を行うことができたことを確認している。また手技は1頭につき3時間程度で施行できており、遂行可能であることは確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では現段階では安全性については問題ないことが示唆されているが、経過観察を続行する。今後は、今回の2頭の採血、血圧、安全性について得られた結果をもとに、その有効性を示唆するデータが得られれば、今回行った手技で今後頭数を増やし、難治性高血圧に対するpRFAが有効かを確認する。安全性、有効性が認められなければ、穿刺部位、回数につき再考を行い、再び2頭での安全性、有効性を確認する実験を施行する。
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Causes of Carryover |
現在、安全性、有効性に関する実験を行っており、頭数は限られているが実際に頭数を増加させる際には実際の使用額が増加するみこみである。
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