2021 Fiscal Year Annual Research Report
経皮経後腹膜的腎交感神経ラジオ波焼灼術~新たな高血圧治療への検討~
Project/Area Number |
19K08234
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山本 晃 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60419695)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腎交感神経除神経術 / ラジオ波焼灼術 |
Outline of Annual Research Achievements |
新たな高血圧治療方法として、カテーテルでの腎交感神経除神経術ではなく、腎動脈外に存在する神経を腎動脈外からラジオ波で焼灼する方法の実験を行った。 結果は、 (1)安全性 ①手技による合併症 7頭の犬に両側腎焼灼術を行った(腎の個数n=14)が、1側の穿刺で出血が認められた(1/14(7%))。また経過中、3頭(3/14 (21%))の右腎に水腎症が認められた。解剖学的に犬の右腎動脈根部の焼灼を行った際に右尿管が焼灼範囲に入ったことが考えられた。焼灼した犬に死亡例は認めなかった。②腎機能は術前と1か月後間に有意なクレアチニンの低下(p=0.02)が認められた。これは術後の脱水の影響も考えられるが、上記水腎症による影響も考えられた。③腎梗塞、腎動脈狭窄 CTを術後3日後、1か月後、3か月までそれぞれ3回計測したが、腎梗塞を疑う像は認めなかった。また最終3か月時の血管造影で血管の狭窄像は14本ともに認めなかった。 (2)血中ホルモン値 レニン、アドレナリンは有意な変化を認めなかったが、ノルアドレナリンは、術前と比較し3か月後に有意な低下を認めた(p=0.03)。 (3)血圧測定 血圧は周術期の影響を受けたと考えられる3日後以外、1か月、3か月と有意な低下を認めた(それぞれp<0.01)。(4)腎周囲交感神経HE評価 現在免疫染色中である。焼灼度合い、分布などについて検討予定である。 総括 当実験の結果より、ホルモン値としてはノルアドレナリンのみ低下を示し、有効性が示唆された。手技は、穿刺は可能であると思われたが、中型動物の犬の解剖学的問題で右水腎症がおこり、充分な安全性を示すことができなかった。RFAによる腎交感神経除神経術の有効性・安全性を示唆するにとどまった。豚などの種を変えたより大型動物での追加確認実験が望まれる。
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