2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規核種95-Tcを用いた次世代医療用ガンマ線カメラの臨床仕様化へ向けた基礎開発
Project/Area Number |
19K08236
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
株木 重人 東海大学, 医学部, 講師 (00402777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西嶋 恭司 東海大学, 理学部, 教授 (40202238)
初川 雄一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター, 専門業務員 (40343917)
櫛田 淳子 東海大学, 理学部, 教授 (80366020)
国枝 悦夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 客員教授 (70170008)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ガンマ線カメラ / テクネチウム / コンプトンカメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では医療応用を目的とした電子飛跡検出型コンプトンガンマ線カメラ(ETCC)の開発と、新たなテクネチウム製剤の開発を行うことを目的としている。 核医学分野で約60%も使用されている核種Tc-99mは親核種であるMo-99はほぼ100%輸入に頼っており、これまでに空路閉鎖や海外の原子炉のトラブル等で国内供給に問題が生じて度々臨床に大きな影響が出た。世界的にもMo-99は高濃縮ウラン(U-235)を用いて生成されるため、核拡散防止条約等の世界平和の側面からも異なる精製方法が推奨されている。このように99m-Tc以外の放射性薬剤は世界的にも期待されているが、一方で他のTc同位体はガンマ線エネルギーが異なるため、他の核医学用ガンマ線カメラでは撮像困難である。我々の開発しているETCCはコンプトン散乱時の物理パラメータを直接計測することで、計測できるエネルギー範囲を大幅に広げることに成功し様々なTc同位体の撮像に成功している。本研究では新たなTc製剤の画像化を目指しているが、研究要素としてETCCの計数率の向上、2台カメラによるステレオ計測、Tc同位体の撮像試験、Tc同位体を用いた生体の撮像を目標とした。撮像試験は非密封の核種を用いるため自施設外での試験が必要であったが、コロナ禍であったため実験回数が絞られた。しかしこの期間にステレオ3次元再構成アルゴリズムの開発を推進し、またこのアルゴリズムを用いたマウスの画像化試験を行なった。更にTc-95-DTPA製剤を用いたラットの撮像試験を行腎機能評価を行なった。DTPAは臨床で使用されている薬剤でありこの薬剤をTc-99mと異なるTc同位体に標識を変え撮像できたことは臨床的な意義が大きい。今後Tc-99m以外の核種での臨床製剤の撮像試験を進めることで国内のTc製剤の供給体制を改善できると考えている
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