2019 Fiscal Year Research-status Report
PET study for molecular interactions in glutamate excitotoxicity
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19K08240
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 友照 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員(定常) (80627563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 若菜 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 研究員(任常) (30835442)
藤永 雅之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員(定常) (70623726)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PET / FAAH / エンドカンナビノイド / URB597 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、グルタミン酸の過剰放出に起因する神経毒性は、結果として神経の機能変性などの病態に進行することが分かってきている。本研究では、神経毒性が生じた際のグルタミン酸受容体やエンドカンナビノイドシステム(eCS)の分子間相互作用をPETイメージングを用いて明らかにすることである。 令和1年度では、eCSにおいて重要な役割を持つ脂肪酸アミド分解酵素(FAAH)に特異的結合を有するPETイメージングプローブ([11C]DFMC)の簡便な定量法の確立と有効性の評価を行った。 はじめに、ラットを用いて[11C]DFMCによる動脈採血を伴うPET撮像を行い、two-tissue compartment model (2TCM)法により、[11C]DFMCの詳細な脳内動態を示す速度パラメータを解析した。その結果、脳への実質的な取り込み量を示すKiはFAAHが豊富に存在する脳領域である帯状回で0.21 mL/cm3/minであった。次に、より簡便に[11C]DFMCのKi値を推定するために、参照領域法の検討を行った。FAAHは延髄にほとんど存在していないため、延髄の時間-放射能曲線を用いてKi値を算出した。その結果、採血法によるKi値と高い相関を示した。ここで、Ki値はFAAHの脳内密度の相対的な指標であり、定量的な値ではないため、次に、参照領域法で求めたKi値からFAAHの脳内密度を直接的に反映しているパラメータであるk3値(calculated-k3と定義)を算出した。最後に、calculated-k3値を用いて、FAAHの阻害剤として臨床で使用されているURB597の50%効果用量を推定した(ED50=66.4 ug/kg)。 本研究により、[11C]DFMCを用いることにより、定量的にFAAHの脳内密度を測定出来ることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和1年度で、FAAHの密度変化を非侵襲的且つ定量的に測定できることを示すことが出来たので、次年度以降の病態モデルを用いたグルタミン酸受容体-エンドカンナビノイドシステムの分子間相互作用を明らかにするPETイメージング研究への進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度では、イオンチャンネル型グルタミン酸受容体の一つであるAMPA受容体の新規PETプローブである[11C]YQZの定量法の確立を行う予定である。 AMPA受容体は、癲癇などの急性のグルタミン酸神経毒性に非常に重要な分子であるため、病態変化におけるAMPA受容体の発現量の変化の追跡は、グルタミン酸受容体-エンドカンナビノイドシステムにおける分子間相互を明らかにするためには極めて重要である。 はじめに、ラットを用いて動脈採血を伴うPET定量解析を行い、[11C]YQZの脳内動態を明らかにし、その後、非侵襲的且つ定量的にAMPA受容体の密度を推定するために、参照領域法の確立を目指す。また、テスト-リテスト試験を行い、参照領域法で推定した定量値の再現性を評価することも目標とする。
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Causes of Carryover |
実験が想定よりも上手く行ったため、実験に供する動物数を最小限に抑えることが出来た。また、次年度繰越金は、実験動物と消耗品に使用する予定。
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Research Products
(2 results)