2019 Fiscal Year Research-status Report
Clinical significance of neutrophil-derived microvesicles in bronchopulmonary dysplasia
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19K08247
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
若林 健二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20723795)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新生児医学 / 集中治療医学 / 呼吸病学 / 生理学 / 免疫学 / 慢性肺疾患 / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は1) 臨床検体を用いたMV測定、2) 実験的子宮内感染モデルの確立とMV測定、3) 高酸素化における好中球由来MVの役割を主な目標としており、本年度は3)を中心として研究を進めた。好中球由来の細胞株は多くないが、我々はHL-60を用いて分化法について検索を進めた。具体的にはDMSOとATRAを比較して分化の程度に関しては肉眼的な分葉核の確認と、FACSによる表面マーカー (CD45, CD11b, CD66b)を確認した。結果的に、ATRA刺激が最も優れていると考えられた。本分化法を用いて好中球由来MVの産生について検討を行い、Ca ionophoreによる刺激に対して1細胞あたり概ね2.2個のCD11b+MV産生を認めた。今後は本実験系に対してin vitroにて高酸素刺激を加えてMV産生が起こるか検討を重ねていく予定である。 上記の実験系に加えて、我々は日本赤十字社から研究用に提供された全血製剤を用いて高酸素のMV産生に対する影響を調べた。各種生体パラメーターが生理的範囲内に収まるように全血製剤を調製した後、通常濃度の酸素投与群と高酸素投与群でMV産生能の比較を行った。結果的に高酸素投与群では通常濃度の酸素群に比べて2.2倍の好中球由来MV数増加を得られることが分かった。1)に関しては既に新生児科・産科との調整を付けており、倫理審査書類の調整に入っている。2)に関しては年度終盤にかけての新型コロナウイルスパンデミックによる実験動物施設への影響も大きく、進展が遅くなったが、2020年度以降に進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床検体の使用と子宮内感染モデルの確立に関しては、新型コロナウイルス感染症対応による実験施設閉鎖や臨床業務多忙のために遂行が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年5月末時点で新型コロナウイルス感染症の発生者数が減少傾向となっており、実験が再開される予定である。加えて、研究グループにスタッフと連携研究員が増えることから、本研究の進捗が期待される。
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Causes of Carryover |
本年度は動物実験に大きな進展が得られなかったこと、培養細胞や研究用血液製剤の使用が安価で抑えられたことなどから次年度使用が生じた。
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