2021 Fiscal Year Research-status Report
新生児慢性肺疾患における細菌学的要因の特定と発症予防法の確立
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19K08248
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉田 丈俊 富山大学, 学術研究部医学系, 特命教授 (90361948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁井見 英樹 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (50401865)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性肺疾患 / 胎内感染 / 絨毛膜羊膜炎 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
在胎週数30週以下の早産児の入院時の胃液を採取して、胃液中の細菌を同定し同時に菌量も測定を行った。北信越地区の病院との共同研究にて、現在50例近い症例が解析済である。 また、児の炎症状態を評価するために臍帯血のIL-6も測定している。 子宮内の炎症を細菌数とIL-6で評価し、これらの値が児の臨床的アウトカムにどう関連しているかを調べている。児のアウトカムとしては、死亡率、重度の脳室内出血、脳室周囲白質軟化症、未熟児網膜症の治療の有無、動脈管開存症、敗血症、慢性肺疾患(CLD36)である。 現在の途中経過としては、ウレアプラズマ・マイコプラズマが原因菌の半分近くを占めており、これらの菌数と出生した在胎週数との逆相関も認めている。また、菌量と臍帯血のIL-6値は正の相関を認めており子宮内での感染が児の炎症を引き起こしており臨床的アウトカムにも影響を及ぼすことが示唆される。現在、まだ入院中の児も存在しており最終的な臨床的アウトカムは解析されていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃液の検体が50例近く集まったが、どうしても臍帯血の保存を忘れることも多くて目標の80検体まで届かない。この1年間で他施設にも協力していただき目標の80例に到達したい。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮内感染症の原因菌と菌量が児の炎症状態(IL-6)と臨床的アウトカムとの関連性を明らかにしたい。ウレアプラズマ・マイコプラズマが児の予後を悪化させているようであれば、将来的には早産児の早期からの除菌療法が児の予後を改善する可能性もあるかもしれない。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症のため学会参加できず、旅行費を執行できなかった。今年度は実験消耗品と旅費にて全額執行したい。
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