2020 Fiscal Year Research-status Report
The development of novel therapies for intractable epilepsy with bone marrow mesenchymal stem cells
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19K08256
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
福村 忍 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30718341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
寺田 光次郎 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80843531)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | てんかん / 細胞治療 / 骨髄間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
けいれん重積後の後遺症として、てんかん、認知機能低下などが知られている。けいれん重積により海馬における細胞消失および苔状線維を含む興奮系異常神経回路の構築のため生じると考えられる。我々は既に、けいれん重積急性期に骨髄間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell: MSC)を経静脈的に投与(MSC治療)をすることで、てんかん自体に加えて、認知機能低下をも予防することができることを報告した(fukumura et al., Epilepsy Res 141: 56-63)。本研究では、既にてんかんおよび認知機能低下をきたした慢性期けいれん重積動物モデルに対して、MSC治療を行うことで、てんかんの抑制、認知機能改善などの治療効果を有するかを検討した。 リチウム-ピロカルピンによるけいれん重積動物に対して、小開頭した後に、硬膜下電極を埋め込み、その後、持続脳波モニタリングによりてんかん波の検出を行った。さらにテレビモニターによるてんかん発作の持続的な観察、およびMorris水迷路試験による認知記憶能を評価した。リチウム-ピロカルピンによるてんかん発症後60日目に、群間でてんかん発作数が同程度になるように2群に分け、一方にMSCを、もう一方に対照としてvehicle(DMEMのみ、細胞なし)を経静脈的に投与した。これまでに、MSC治療後の持続脳波におけるてんかん波、パワースペクトラム、またてんかん発作頻度・強さ、Morris水迷路試験を行い、MSC投与群とvehicle投与群とでけいれん頻度の差および脳波所見の差を認め、治療効果を確認している。現在、統計的処理およびMRI画像、組織的な差を検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
けいれん重積後慢性期モデルは確立し、MSC投与群とDMEM投与群とで、けいれん頻度の差および脳波所見の差を認めている。現在統計的処理および画像、組織的な差を検討しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、認知機能を種々の行動評価を組み合わせることで多角的に治療効果とそのメカニズムを解析していく予定である。特に、組織的解析として、海馬の神経系細胞数および苔状線維発芽、GABAニューロン数、樹状突起棘数等を評価する予定である。また7T-MRIを用いて、脳体積の変化、皮質、白質、辺縁系の体積の割合の変化を経時的に評価していくことが可能と考えている。
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Causes of Carryover |
当該年度(2020年度)は、2019年度に引き続き、主にけいれん重積後慢性期モデルに対する行動評価実験を主に行っており、組織・画像検査に関わる使用額が少なかった。 <使用計画>本研究計画を継続し、動物代、試薬代、培養器具代、MRI使用代、組織染色代などの消耗品に使用する予定である。
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