2019 Fiscal Year Research-status Report
未熟児網膜症マウスモデルにおける細胞内抗酸化物質チオレドキシンの重要性
Project/Area Number |
19K08259
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
難波 文彦 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20643323)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 未熟児網膜症 / 高濃度酸素 / 動物モデル / 血管新生 / 無血管野 |
Outline of Annual Research Achievements |
生後7日の新生仔マウス(C57BL/6)に高濃度酸素(FiO2 0.75)を5日間暴露し、未熟児網膜症マウスモデルを作製した。ルームエア(FiO2 0.21)下で飼育した新生仔マウスをコントロールとした。暴露後、両眼球摘出後、両側網膜を摘出し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、ホールマウント標本を作成、ホールマウント血管染色を行った。ルームエア下では、網膜血管は正常発達を示したが、新生仔期高濃度酸素暴露による未熟児網膜症マウスモデルは、無血管野と新生血管野の拡大を認め、ヒト未熟児網膜症組織像に似た再現性のある動物モデルを確立した。 今後は、ヒト・チオレドキシン・トランスジェニックマウスを用いて、同様に高濃度酸素誘導・未熟児網膜症マウスモデルを作製し、高濃度酸素暴露した野生型マウスとその表現型を比較し、同動物モデルにおけるチオレドキシンの重要性を評価する。他、表現型の評価項目として、網膜組織中サイトカイン・成長因子の遺伝子発現解析、網膜血管透過性等の評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物に高濃度酸素暴露するための動物チャンバー・酸素および二酸化炭素コントローラーはすでに所持しており、その使用には慣れており、トラブルなく再現性のある未熟児網膜症動物モデルを作製できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、チオレドキシン(TRX)トランスジェニックマウスを用い、高濃度酸素暴露による未熟児網膜症マウスモデルにおけるTRXの重要性を病理学的・分子生物学的に明らかにする。また、ヒト早産児検体中TRX濃度をELISA法を用いて測定し、TRXが未熟児網膜症のバイオマーカーになり得るか検討する。
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Causes of Carryover |
本年度購入予定であった消耗品である酸素・二酸化炭素コントローラーを購入する必要がなかったため次年度使用額が生じた。これらは次年度の消耗品(酸素・二酸化炭素コントローラー)購入に当て、その他は本研究計画通り使用する。
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