2020 Fiscal Year Research-status Report
細胞送達能を高めた改変型酵素を用いるムコ多糖症II型の造血幹細胞遺伝子治療法開発
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19K08262
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嶋田 洋太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20560824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 孝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30595327)
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60160595)
小林 博司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90266619)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / ムコ多糖症II型 |
Outline of Annual Research Achievements |
ムコ多糖症II型(MPS II)は、イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)遺伝子の欠損を原因とし、中枢神経症状や骨格変形など多彩な症状を全身性に呈するX連鎖性劣性遺伝病である。現在のところ、1度の治療介入で全身病変を治癒する治療法は存在しない。本研究では、全身の細胞へ移行する能力を高めたIDSをレンチウイルスベクターを用いて造血幹細胞に導入した後に同細胞移植を行う、MPS IIへの造血幹細胞遺伝子治療法の開発を進めている。我々は昨年度、抗トランスフェリン受容体抗体とIDSを融合させた治療遺伝子(TfR-IDS)を作成したが、作成したコンストラクトは未修飾のIDSに比べ酵素活性が上昇し難いことが判明した。そこで今年度は、新たな構造のTfR-IDSを作成し、まずその評価を行った。今年度作成したTfR-IDSを培養細胞に発現させたところ、昨年度型のTfR-IDSよりも高い酵素活性が認められた。そこで、今年度作成したTfR-IDSをレンチウイルスベクターに搭載し、このベクターを用いてMPS IIマウス由来造血幹細胞への遺伝子導入を行った。その後、この造血幹細胞をMPS IIマウスに移植したところ、移植後1ヶ月の時点で末梢血において野生型マウスを上回るIDS活性が検出された。現在、TfR-IDSまたはIDSをレンチウイルスベクターにて遺伝子導入した造血幹細胞のMPS IIマウスへの移植を完了し、順次解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度明らかとなった課題を改善するべく新たなTfR-IDSを作成し、その評価を行った後に今年度に計画していた研究を実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度造血幹細胞遺伝子治療を行ったマウスを対象に、各種病変に対する治療の有効性について解析を進める。ヒト造血幹細胞についてもレンチウイルスベクターを用いて遺伝子導入し、解析を行う予定である。また、TfR-IDSの酵素活性のさらなる上昇を促す方法の検討も進める予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度明らかとなった課題に対応した新たなTfR-IDSを作成し直した後にマウスへの造血幹細胞遺伝子治療を実施したため、当初今年度内に実施予定だった解析が次年度での実施となった。次年度の使用計画としては、今年度移植を終えたマウスにおける各種病変への有効性解析を中心に使用し、ヒト造血幹細胞を用いた検討やTfR-IDSの酵素活性をさらに上昇させる方法の検討にも使用予定である。
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