2022 Fiscal Year Annual Research Report
細胞送達能を高めた改変型酵素を用いるムコ多糖症II型の造血幹細胞遺伝子治療法開発
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19K08262
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嶋田 洋太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20560824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 孝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30595327)
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60160595)
小林 博司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90266619)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / ムコ多糖症II型 |
Outline of Annual Research Achievements |
ムコ多糖症II型 (MPS II)は、イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)遺伝子の欠損により生じ、肝脾腫や中枢神経症状など様々な症状を全身性に呈するX連鎖性のライソゾーム病である。本研究の目的は、トランスフェリン受容体(TfR)に結合する抗体を融合することで全身の細胞へ移行する能力を高めたIDS(TfR-IDS)を造血幹細胞に発現させた後に再移植を行うMPS IIに対する自家造血幹細胞遺伝子治療の開発である。今年度は以下の3点について実施した。
(1) ヒトCD34陽性造血幹細胞にレンチウイルスベクターを用いてTfR-IDSを導入し、MPSIIマウスへと移植を行った。移植したマウスの骨髄においてヒトCD34陽性細胞の定着及びヒトB細胞やミエロイド系細胞などの分化したヒト細胞が検出され、TfR-IDSを遺伝子導入したヒト造血幹細胞が未分化能と多分化能を保持していることが確認された。また、移植細胞におけるレンチウイルスコピー数はTfR-IDS導入細胞の方がIDS導入細胞よりも低かった一方で、生着したマウスの脾臓においてほぼ同等の酵素活性が検出され、TfR-IDSの組織移行性の高さが示唆された。 (2) ベクターに搭載するTfR-IDSの酵素活性のさらなる向上を目指し、アミノ酸配列を置換したIDS変異体を複数作成した。置換の結果、酵素活性が低下してしまう変異体のほか、置換後も天然型と変わらない変異体や上昇傾向を示す変異体が得られた。 (3) ヒトTfRを認識する抗体を融合したhTfR-IDSを搭載したレンチウイルスベクターの作成を試みた。TfR抗体のFab領域とIDSを含む配列の最適化を行い、hTfR-IDSを安定して発現誘導可能なレンチウイルスベクターの作成に成功した。
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Research Products
(3 results)