2019 Fiscal Year Research-status Report
移植臍帯血幹細胞の分化と周生期大脳皮質白質損傷への応用
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19K08267
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Research Institution | Institute for Developmental Research Aichi Developmental Disability Center |
Principal Investigator |
中西 圭子 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害モデル研究部, 非常勤研究員 (50280813)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 移植再生医療 / 臍帯血幹細胞 / 周生期脳障害 / 白質損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)モデルラットにラット臍帯血幹細胞を移植するという同種移植系を用いて、臍帯血幹細胞が周生期脳障害を軽減させることを明らかにしてきた。本研究では、投与した臍帯血幹細胞が生体内でどのような細胞に分化するのか追跡することにより脳障害軽減機序を明らかにするとともに、低出生体重児の周生期白質損傷にも臍帯血幹細胞移植を治療として応用できるかを明らかにすることを目的としている。 GFPトランスジェニックラット胎仔臍帯血より有核細胞層を分離し、幹細胞を培養増殖(Stem cell enriched umbilical cord blood cells; SCE-UCBC)させた。これを日齢7に片側頸動脈結紮し低酸素処理を行ったHIEモデルラットに受傷3日後に腹腔内投与した。投与した幹細胞は脾臓周囲の結合組織で数多く観察され、その一部はLYVE1(+)リンパ管内皮細胞に分化していた。一方、日齢2に同様の片側頸動脈結紮し低酸素処理を行ったラットでは明らかな梗塞巣は観察されなかった。このことは、日齢によって脳障害のパターンが異なることを示している。今後、この系が白質損傷モデルとなりうるのか、さらに検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年3月に当センターの中央病院および発達障害研究所は改築・移転した。その後、新実験室および新動物舎のセットアップ等でしばらく実験することができなかった。また移転に伴い、これまで低酸素実験に使用していたマルチガスインキュベータが故障し、更新する必要が生じたため、数ヶ月間動物実験できない状況が続いた。さらに、最近は新型コロナ感染症の流行に伴い、アルバイトを在宅勤務にしており、研究の進捗は当初計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
しばらくの間は政府や県の新型コロナ対策要請に従い、なるべく早期に収束できるよう実験を自粛し協力する。収束後早期に研究を再開できるよう、情報収集や予備実験等を行っている。
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Causes of Carryover |
研究所の移転、低酸素実験用インキュベータの故障および更新、新型コロナ感染症のための実験自粛のため、研究が遅れており次年度使用額が生じている。コロナ感染症収束後は精力的に実験を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Distinct role of SAD-A and SAD-B in radial neuronal migration in the developing brain.2019
Author(s)
Nakanishi K, Niida H, Tabata H, Johmura Y, Ueda T, Yamada K, Nagata K-I, Wakamatsu N, Kishi M, Ugawa S, Shimada S, Higashi Y, Nakanishi M
Organizer
第42回日本神経科学大会/第62回日本神経化学会大会
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