2019 Fiscal Year Research-status Report
既承認薬ライブラリーを用いたグルコーストランスポーター1欠損症治療薬の探索
Project/Area Number |
19K08268
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高橋 悟 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10431404)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GLUT1欠損症 / ケトン食療法 / 既承認薬ライブラリー / レポーター遺伝子 / スクリーニング / 創薬 / ドラッグ・リポジショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
GLUT1欠損症は、SLC2A1遺伝子のハプロ不全により発症し、脳内へのブドウ糖輸送が減少することにより発症する代謝性脳症である。中枢神経系でのエネルギー不足が慢性的に持続することにより、てんかん、知的障害、運動障害など多彩な神経症状が出現する。GLUT1欠損症の唯一の治療法は、ブドウ糖に代わるエネルギー源としてケトン体を供給する食事療法のみである。しかし、糖質・炭水化物を制限し脂質を多く摂取するケトン食療法を継続することは容易ではない。また、小児の成長へ及ぼす長期的な影響については不明な点も多く、新たな治療法の開発が望まれている。本研究では、安全性と体内動態が十分に証明されている既承認薬ライブラリーから、SLC2A1遺伝子の発現量を増加させる治療薬を探索することを計画している。該当年度では、既承認薬ライブラリーからのスクリーニングを効率的に行うために、SLC2A1遺伝子の発現調節領域の下流にレポーター遺伝子としてルシフェラーゼ遺伝子を連結させたDNAを安定発現する細胞株を樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、レポーター遺伝子(GLUT1プロモーター+ルシフェラーゼ遺伝子)を培養細胞へ一過性に導入して薬剤スクリーニングを行う予定であった。候補薬の数はおよそ1000に及ぶため、作業を効率的に進めるためにレポーター遺伝子を安定発現する細胞株を用いる方法へ変更した。安定発現細胞株の樹立におよそ1年間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
レポーター遺伝子を安定発現する細胞株を樹立したので、陽性コントロールを用いた刺激条件の検討を行った後、既承認薬ライブラリーからの1次スクリーニングを開始する。
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Remarks |
高橋 悟、Glut1欠損症の遺伝、Glut1欠損症ハンドブック (Glut1欠損症家族会) 2019; p13-15,
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Research Products
(2 results)