2019 Fiscal Year Research-status Report
低栄養発育胎児における有機陰イオン輸送体の機能の解明
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19K08274
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
内村 康寛 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90803990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 潤 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10284027)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DOHaD / 輸送体 / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、胎児期の低栄養ストレスで、胎児の脳で不可逆的に発現量が増加する遺伝子としてSLC22a23遺伝子を同定した。SLC22a23遺伝子は、そのアミノ酸配列から、細胞膜上に発現する輸送体をコードすると考えられたが、機能が不明であった。このため、SLC22a23輸送体の機能を明らかにするための研究を開始した。 まず最初に、SLC22a23タンパク質のヒト・ラット・マウスで共通のアミノ酸配列を元に、ペプチドを合成し、これをウサギに免疫することで、ポリクローナル抗体を得た。このウサギ抗SLC22a23抗体が、特異的にSLC22a23発現細胞に反応することを免疫染色、ウエスタンブロットなどで確認した。この抗SLC22a23抗体を用いて、ラットの脳のSLC22a23発現細胞のマッピングを行ったところ、SLC22a23タンパク質が、脳の神経細胞で特異的に発現しており、特にピラミダル・ニューロンで強い染色が観察された。 次に、SLC22a23輸送体の基質を同定するための実験を行った。マウス培養細胞株C2C12は、SLC22a23タンパク質を発現していない。このC2C12株にSLC22a23遺伝子を発現させた細胞株(C2C12-SLC22a23細胞株)を作製した。この細胞株とコントロールのC2C12株を比較することで、SLC22a23輸送体の基質の同定を試みた。各々の細胞株から抽出した内在性の小分子化合物をメタボロミクス で比較したところ、C2C12-SLC22a23細胞株で飽和脂肪酸量が多く、SLC22a23タンパク質が脂肪酸の輸送体であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SLC22a23遺伝子の抗体作製、免疫染色の条件検討などを行い、SLC22a23遺伝子の機能を明らかにする実験の準備が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの影響で、新規の実験の遂行が困難な状況にある。現時点で得られている研究の方向性で、研究結果をまとめ、論文を発表したい。
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Causes of Carryover |
研究計画の2年以降に、物品の購入をすることにしたため
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Research Products
(1 results)