2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of therapeutic targets for childhood leukemia based on in vitro drug sensitivity
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19K08318
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
坂口 公祥 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00402280)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 薬剤感受性 / 白血病 / 遺伝子 / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
白血病細胞株9種類と21例の患者由来の白血病細胞から抽出したmRNAを用いたトランスクリプトーム解析の結果は令和2年度までに得られており、これらを統合して解析することを目指した。 解析の中で白血病細胞株と患者由来白血病細胞とは別に解析を行った。患者由来白血病細胞株ではある抗悪性腫瘍薬に対して発現量に有意差を認めた遺伝子が認められたが、これはCD10など白血病の特徴自体に由来する遺伝子のみであり、抗悪性腫瘍薬の代謝経路やアポトーシスのシグナル伝達経路などに影響を与えるような遺伝子の発現量変化ではなかった。 このように抗悪性腫瘍薬の代謝経路やアポトーシスのシグナル伝達経路などに影響を与えるような遺伝子の発現量変化が全く得られなかったことは当初の想定外であり、計画の大幅な変更を余儀なくされることとなった。 したがって、さらに別の角度からの解析を行うことを検討していたが、コロナ禍において診療や管理業務に対するエフォートが非常に大きくなってしまい、本研究に対して十分な時間を割くことができなかった。このことが当初予想していた計画と大きく異なる点であった。 ただし、資金などの問題で解析を十分進められないため、別の解析を行う方針とした。 小児再発急性リンパ性白血病の多施設共同臨床試験において、薬剤感受性試験を実施した結果が得られている。この薬剤感受性試験にも本研究の資金の一部を使用していた。また薬剤感受性試験を実施した患者の治療経過に関してのデータも得られている。そこで、治療経過と薬剤感受性試験結果の相関を解析することとした。その結果、第一再発急性リンパ性白血病の予後は既知の予後因子で分類できるが、さらにこれを寛解導入で使用した薬剤の感受性によって二群に分けられる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度以降はこれまで得られた結果をもとに、十分な解析を行って結果を報告する予定であった。しかし、トランスクリプトーム解析の結果に不十分なものがあったことと、診療や管理業務に対するエフォートが大きくなってしまい、本研究に対して十分な時間を割くことができなかったことから、十分な解析を行うことができなかった。 また、解析を進めるための資金的問題も存在した。 このため、研究成果の報告を行うこともできず、研究の方針を転換することとし、これによって一定の結果が得られたので、報告を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤感受性試験結果とトランスクリプトーム解析結果を統合した解析を進めることは資金的にも時間的にも困難であると考えられる。このため、小児再発急性リンパ性白血病患者の薬剤感受性試験結果と臨床経過の統合解析を行うことで、小児再発急性リンパ性白血病の治療に役立つ情報を得ることを目的として研究を進めた。一定の結果が得られたので、令和6年度に報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
令和5年度は成果の発表を行うには時期尚早であり、旅費の請求を行わなかった。 残金は薬剤感受性に関する解析の成果を報告するため、また今後新たな研究方針を立てるために使用することとした方が有益と判断し、次年度に使用することとした。
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