2019 Fiscal Year Research-status Report
家族性WPW症候群における全エクソーム解析による原因遺伝子の探索
Project/Area Number |
19K08319
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深澤 佳絵 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00612764)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 太一 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20422777)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | WPW症候群 / PRKAG2 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性WPW症候群の6家系から研究協力への同意を取得して、発症者およびその血縁者から血液または唾液検体を採取した。採取した血液または唾液検体からDNAを抽出した後に、各家系におけるWPW症候群の発症者1名の抽出DNAを用いて、家族性WPW症候群の既知遺伝子であるPRKAG2遺伝子を、サンガーシーケンスを用いて調べた。その結果、1家系のみにおいて病的バリアント(既報変異)を検出した。さらに、その家系の全員で遺伝形式と合致したため、この1家系に関してはPRKAG2遺伝子が原因遺伝子であると判断した。既報では、PRKAG2遺伝子以外の遺伝子(MYH6遺伝子など)においても、家族性WPW症候群の報告が散見されるが、報告症例数が極めて少なく、またそれらの遺伝子はエクソン数も多いことから、それらに対してはサンガーシーケンスよりも全エクソーム解析を先行させる方針とした。 PRKAG2遺伝子の変異を検出できなかった家系のうち、4家系に対して全エクソーム解析を行った(残りの1家系についても、今後、全エクソーム解析を行う予定である)。全エクソーム解析の結果からは、PRKAG2遺伝子および、今までに家族性WPW症候群の原因として報告されているその他の遺伝子の変異は検出できず、未知の原因遺伝子が存在する可能性が示唆された。4家系の解析では、現在のところ候補遺伝子を充分に絞り込めておらず、今後は、さらに家系数を増やすことで候補遺伝子の絞り込みを計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画段階では、家族性WPW症候群家系を7家系確認しており、研究開始以降、さらに3家系を確認できたため、現時点で10家系を研究対象として計画している。そのうちの6家系において、同意取得および遺伝子検査(サンガーシーケンス6家系、全エクソーム解析4家系)を遂行できており、概ね順調な経過と考えている。現時点では新規原因遺伝子の同定には至っていないが、他家系における同意取得も近日中に計画しており、研究対象家系が増えることにより、候補遺伝子の抽出が期待される状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
PRKAG2の変異が検出されなかった1家系の全エクソーム解析を行う。 新規に確認された家系に対して、研究協力の同意を取得し、遺伝子検査を行う。 研究対象家系が増えることで、候補遺伝子が特定されれば、強制発現実験などを用いて機能解析を行って検証を行う。
|
Research Products
(3 results)