2020 Fiscal Year Research-status Report
家族性WPW症候群における全エクソーム解析による原因遺伝子の探索
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19K08319
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深澤 佳絵 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00612764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 太一 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20422777)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | WPW症候群 / PRKAG2 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、家族性WPW症候群の遺伝子検査を進めた。家族性WPW症候群の合計8家系から研究協力の同意を取得して、発症者およびその血縁者のDNA抽出を行った。各家系の発症者のDNAを用いて、PRKAG2(家族性WPW症候群の既知の原因遺伝子)のサンガーシーケンスを行ったが、病的変異が同定されたのは1家系のみであり(前年度の報告書でも記載済)、他7家系で全エクソーム解析を行った。データベースを参照してMinor allele frequencyのカットオフ値を設定して原因遺伝子の絞り込みを行った。各家系において、候補遺伝子は50-150程度になり、複数家系に認められる候補遺伝子や、他の心疾患(不整脈、心筋症)の原因として知られる遺伝子を抽出した。なお、他に3家系の家族性WPW症候群が確認できているが、現時点で研究協力の同意は未取得である。 複数家系に認められる候補遺伝子では、特にWPW症候群の発症への関与が強く示唆されるものはなかった。4世代以上に渡ると考えられる大家系において、肥大型心筋症の原因として知られている遺伝子Xのミスセンス変異が検出された。本遺伝子の異常に由来するWPW症候群の報告は存在しないが、一般的に遺伝性肥大型心筋症にはしばしばWPW候群を合併することが報告されており、本家系においてもWPW症候群の原因が遺伝子Xである可能性はあり得る。機能解析実験を計画中である。他の6家系では、引き続き候補遺伝子の絞り込みを継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画段階では7家系で遺伝子検査を行うことを計画していたが、それを上回る8家系で遺伝子検査(PRKAG2変異を認められた1家系を含む)が完了しており、概ね順調な経過と考えている。ただし、ほとんどの家系において原因遺伝子の同点に難渋している点は想定外であった。
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Strategy for Future Research Activity |
可能であれば研究対象家系を増やす。現時点で候補遺伝子の一つと考えている遺伝子Xのミスセンス変異の機能解析実験を行う。機能解析実験は、培養細胞を用いた強制発現実験、またはCRISPR-Cas9による遺伝子改変マウスをもちいた生体実験を計画している。
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Research Products
(2 results)