2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the pathogenesis of autoinflammatory syndromes using patient samples and iPS cells caused by various MEFV variants
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19K08320
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 孝之 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20625678)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 機能評価系の確立 / MEFV / 家族性地中海熱 / THP-1細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト単球系細胞株である THP-1 細胞に、GFP という蛍光色素で標識した MEFV 遺伝子を強制発現させ、UCN-01 あるいは TcdA というパイリンを活性化する 2 つの薬剤で刺激し、フローサイトメトリー法を用いて刺激後に誘導される細胞死を評価した。すると、よく知られた病原性変異である M694V変異は、正常の MEFV と比較して、強い細胞死を誘導することがわかった。そして、この細胞死はインフラマソームが活性化した結果起こるパイロトーシスという特徴的な細胞死であることも明らかになった。この検査法を用いて、これまで報告されている 32 種類の MEFV バリアントを評価したところ、誘導される細胞死の性質は、全てのバリアントで同じというわけではなく、バリアントの種類により少しずつ異なることがわかった (無刺激でも細胞死が起こるもの、UCN-01 と TcdA 刺激どちらにも強く反応するもの、UCN-01 のみに反応するもの、いずれの刺激にも反応しないもの、など)。この性質の違いを評価するため、階層的クラスタリングという統計学的手法を用いて解析したところ、これらのバリアントは 6 つの異なる性質をもったクラスターに分類されることがわかった。このクラスター分類は、各バリアントが患者さんにどのような症状を引き起こすかという、これまでの臨床的な情報ともよく相関していた。そのため、本検査法を用いることで MEFV バリアントの病原性の有無が区別できるだけでなく、病原性の強弱や変異の性質も評価することが可能であることが示された。 患者検体採取を必要とせず、またiPS細胞の遺伝子改変といった労力も必要ない、MEFVバリアント評価系を確立し、論文として公表した。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 新規機能解析系によるMEFVバリアントの病原性分類2021
Author(s)
前田 由可子, 本田 吉孝, 井澤 和司, 芝 剛, 田中 孝之, 中瀬古 春奈, 西村 啓佑, 向山 宙希, 宮本 尚幸, 伊佐 真彦[西谷], 仁平 寛士, 柴田 洋史, 八角 高裕, 西小森 隆太
Organizer
第65回日本リウマチ学会総会・学術集会
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