2020 Fiscal Year Research-status Report
translational research for novel therapy for leukemia utilizing microRNA expression analysis
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19K08321
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平松 英文 京都大学, 医学研究科, 講師 (40362503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急性リンパ性白血病 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究において、小児急性リンパ性白血病(ALL)の初発時のマイクロRNA(miR)発現プロフィールの解析結果から、遺伝子型に関わらず一様に高発現のみられるmiR が存在することに着目し、本研究では新規治療法開発のための生物学的意義を明らかにすることを目的としている。多くの細胞株で高発現しているmiR-146a に対し、miR発現レベルを生細胞のまま可視化できる sensing lentivirus vectorを作成して、生細胞におけるmiR-146aの発現を解析してみるとMLL rearrangement陽性細胞では miR 146a高発現集団と低発現集団が存在していることを見出した。両細胞集団をソーティングして、増殖性、アポトーシス、薬剤感受性等を検討したものの、残念ながら明らかな差は見いだせなかった。続いて内因性miR-146aを knock down(KD)による生物学的影響を検討することとし、miR-146a KD lentivirus vectorを作成し、同じくMLL rearrange陽性細胞において、増殖性、コロニー形成能、NOGマウスへの生着性等を検証した。KDにより増殖性の低下、コロニー形成能の抑制がみられ、mRNA sequencingではNOTCH1 pathwayの活性化が示唆された。より包括的なマイクロRNA発現プロファイルを得るために、初発時の白血病細胞を用いて、次世代シークエンサーによるマイクロRNAの網羅的解析とトランスクリプトーム解析を行い、同時にデポジットデータを利用した統合解析を行った。結果、既知の融合遺伝子や染色体数以上などのリスク因子からからは予測されない、予後に関連するマイクロRNA発現プロファイルを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
miR-146a KD vectorを作成し、主としてMLL rearrangementを有する白血病細胞株を用いて生物学的影響につき検討を行った。増殖能の低下、コロニー形成能の抑制を認めたものの、免疫不全マウスであるNOGマウスに移植したところ、生着性がむしろ向上するという相反する結果となった。KDを行った細胞を用いたトランスクリプトーム解析ではNOTCH signalingの活性化が示唆されたが、上記の事象を説明するに足る遺伝子発現上の異常は同定することができなかった。他の候補マイクロRNAのKD実験を進める前に、次世代シークエンサーを用いた網羅的マイクロRNA発現解析に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
miR 146a KDにおけるin vitroとin vivoの実験結果が相反することから、初発時の急性リンパ性白血病細胞を用いた次世代シークエンサーによる網羅的miR発現を進めることとした。同時にdeposit dataを用いてマイクロRNA発現解析を行い、臨床的意義について検討を行なっているが、特定のmiRNA発現プロファイルが予後予測に有用であることを見出した。これは従来のリスク因子では予測し得ない予後不良群をとらえており、さらに検体を増やしてバリデーションを行うとともに、トランスクリプトーム解析、パスウエイ解析等を進め、予後予測だけでなく治療ターゲットの同定を目指して解析を進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定額を行使しており、ごく些少の繰越である。次年度に使用する。
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Research Products
(1 results)