2021 Fiscal Year Research-status Report
PDGFRB異常による新規過成長症候群の病態解明と治療法開発
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19K08329
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武内 俊樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60383741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 博庸 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70445310)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血小板由来成長因子 / 過成長 / 動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画に従って、ヒトのPDGFRB遺伝子異常症患者で同定されている遺伝子変異 (p.Trp566Argおよびp.Pro584Arg) をもつノックインマウスの作出に着手した。具体的には、C57BL/6Jの遺伝的背景を持つマウスに、遺伝子編集技術CRISPR/Cas9によるエレクトロポレーション法を用いて、Pdgfrb c.1748C>GおよびPdgfrb c.1696T>Cの点変異を持つ疾患モデルマウスを作成を進めている。当該変異を持つマウスが複数得られたため、現在、詳細な表現型解析をすすめている。本疾患の診断基準の作成に関しては、海外から、これまでに知られていたp.Pro584Argないしp.Trp566Arg以外の変異(p.Asn856Ileなど)による本疾患患者が相次いで報告されたのを受けて、これまで理解されてきたものよりも広いスぺクトラムをもつ疾患単位として定義できるよう検討を進めている。経口チロシンキナーゼ阻害剤による本疾患患者の治療法開発に向けて、アメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパの医師・研究者と連携して、現在数十種類あるPMDA/FDAで承認されている経口チロシンキナーゼ阻害薬のうち、どれを選択すべきか、至適な投与量、方法、投与期間の設定について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PDGFRB遺伝子異常症患者で同定された遺伝子変異 (p.Trp566Argおよびp.Pro584Arg) を導入したノックインマウスの作出に着手したが、当初技術的に困難であり、予定よりも時間を要したため。点変異を持つ生産仔を得られたが、現時点では、ヒトの患者と同様の表現型を有するかどうかについての評価ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って、疾患モデルマウスの解析については理化学研究所バイオリソース研究センター実験動物開発室吉木淳室長と連携する。
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Causes of Carryover |
マウス作成のために計上していた費用が予定よりも少ない金額で可能となったため。2022年度に合算して研究遂行のために使用する。
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