2020 Fiscal Year Research-status Report
EBウイルス感染による細胞不死化制御機構の解明と不死化阻害薬の開発研究
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19K08336
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
今留 謙一 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 高度感染症診断部, 部長 (70392488)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EBV / B細胞不死化 / PTLD / CD40 / CD40L |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は以下の項目について研究を進めた。 (1)CD40LIgの作製:1.His-tag融合CD40LIg発現ベクターの作製 2.ヒト細胞Expi293に遺伝子導入 3.培養上清中に分泌される分泌型His-tag融合CD40LIgタンパク質を回収精製 4.ヒトCD40のELISAによって力価をチェック(力価が高いロットのみを使用):CD40LIg添加量の希釈系列をELISAに添加し、CD40-CD40Lの相互作用を阻害させた後、同量のCD40抗体を添加、吸光度測定により力価のチェックを行った。予定していた力価に届いていなかったため、CD40LIgの回収液を濃縮し力価をあげ対応した。(2)CD40シグナルが感染細胞不死化に及ぼすメカニズムの解明: CD40LIgを使用 1.96ウェルプレートにPrimary B細胞(臍帯血より分離)を1 x 105細胞まき、EBV感染させる2.感染後0hr, 3hrs, 6hrs, 12hrs, 24hrs, 48hrs, 72hrs, 96hrs, 1week, 2weeks, 4weeks (11群)経過時にCD40Igを各ウェルに200μg/ml添加し、CD40シグナル阻害を行う。3.感染6週目に感染細胞が不死化しているウェルを数え、各群での不死化効率を検討する。CD40シグナルの不死化効率への役割と機能開始時期および阻害効率の検討の結果、96hrs以降で阻害した場合は不死化効率低下の効果が減少することが明らかとなった。感染初期にCD40シグナルが重要であることが示された。 (3)CD40IgとCD40LIgを比較しどちらがより不死化阻害効果があるか検討:R3年度に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響により、当初予定していた実験のための試薬・消耗品搬入の遅延により遅れが出てしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
R2年度に実施予定であった実験をR3年度に実施する。R3年度に予定している(2)ヒト化EBV感染モデルマウスでの不死化阻害効果の検討を進める。これはin vivo実験による評価であり、ヒト細胞での評価のため実用化のための時間短縮が予想できる。 新型コロナの影響により、未だに試薬等の入荷に時間を要しているため、代替品の検索も進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる予定試薬、消耗品の購入ができなかったことにより、次年度での購入になったため。
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