2021 Fiscal Year Research-status Report
選択的オートファジーが気管支喘息発症の病態におよぼす役割
Project/Area Number |
19K08340
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村井 宏生 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特別研究員 (50464566)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 勇成 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40303391)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 選択的オートファジー / 気管支喘息 / 気道上皮細胞 / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、昨年度に、オートファジーや各々の抗原が感染を契機とした気管支喘息の発症と強く関わることが報告され始めている、抗菌性タンパク質(RNase 7, ベータディフェンシン)が、各種抗原刺激(Lyn 1604, AICAR, 低分子量Poly IC, ALT-E, LPS, YKL, HDM)により、どのような影響をうけるかを、タンパクの量を測定することで検討した。結果として、ヒト気管支上皮細胞(HBEC-KT cell)を 低分子量Poly I:Cにて刺激を行うことで、ベータディフェンシンの有意な上昇をきたすというデータを得ることができた。当該年度は、その研究をより詳細に把握するために、miRNAを網羅的に検索することができるマイクロRNAアレイ を用いて同様の刺激にてベータディフェンシン を誘導するmiRNAの同定を試みようとした。しかしながら、昨年度に引き続くコロナウイルス感染症による移動制限、資材調達に時間がかかってしまったことなどの理由により、本年度は結果を出すことができず、情報収集のみにとどまることになってしまい、一年間の延長申請を行った。令和4年度は、低分子量Poly I:C の刺激にてヒト気管支上皮細胞から放出された、miRNAを同定し、予備的研究として我々が以前行ったアレルギー疾患発症患児と非発症患児の母乳中miRNAのプロファイルと比較することで、アレルギー疾患発症のために重要な役割を果たす可能性のあるmiRNAを同定することを目的とする。また、今回得たデータは、現在その機序がわかっていないウイルス感染を引き金とする気管支喘息の病態解明に役立つものと思われる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続くコロナウイルス感染症による移動制限、資材調達に制限がかかったことなどにより、当該年度は情報収集にとどまることになってしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は一年期間を延長し、low molecular weight Poly I:Cによる刺激にて、気道上皮細胞からの、beta-defensin の分泌に影響を与えるmiRNAの同定を行うため、miRNA array を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の流行、及び資材の入手に遅れが生じたこと、また多くの学会がオンラインとなり、情報収集としての費用が少なくなったことから次年度の使用額が生じることになった。令和4年度は当該年度に行うことができなかった、低分子量Poly I:C の刺激にてヒト気管支上皮細胞から放出され、beta defensin の分泌に影響を与えているmiRNAをマイクロRNAアレイを用いて同定する予定である。
|