2019 Fiscal Year Research-status Report
Research for induction or normalization factor for colonic TRPV4 methylation aiming at curing constipation
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19K08366
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
三原 弘 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (00612623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 邦敏 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (20581135)
南條 宗八 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70649285)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | TRPV4 / 結腸上皮 / サイトカイン / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ヒト由来の結腸上皮細胞株CCD 841におけるTRPV4の発現をPCR法、免疫染色法で検討したところ、遺伝子及び、タンパクの発現が確認された。次に、Ca2+イメージング法でCCDに特異的TRPV4活性化剤であるGSK101や、内因性TRPV4活性化因子である8,9-EETを処理すると、濃度依存的に細胞内Ca濃度上昇が観察された。また、その上昇は特異的TRPV4阻害剤であるRN1734前処置にて阻害されたことから、CCDにはTRPV4が機能的に発現していることが確認された。 2)各種腸内細菌の臨床分離株とCCDを共培養したところ、TRPV4の発現が増加、または減少するものが見いだされた。各種腸内細菌の標準株の購入し、標準株でも臨床分離株同様の結果が見られるかを確認する準備が整った。 3)基礎実験として、大腸がん細胞株であるSW480に各種サイトカイン(IL6,IL8,IL1b)を処理すると、TRPV4の発現が抑制された。 4)CCDに対して、グラム陰性桿菌菌体成分であるリポポリサッカライド、一部の炎症性サイトカイン、短鎖脂肪酸、葉酸などと共培養したところ、評価した濃度の範囲では、TRPV4の発現に大きな変化は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度に予定していた、ヒト由来の結腸上皮細胞株CCD 841におけるTRPV4の発現のPCR法、免疫染色法、Ca2+イメージング法での確認が実施された。また、CCDと各種腸内細菌(臨床分離株)と菌体成分であるリポポリサッカライド、短鎖脂肪酸、葉酸と共培養を実施し、TRPV4の発現変化の確認が実施された。TRPV4の発現変化を起こしうる腸内細菌の標準株の導入が済んだ一方、サイトカインとの共培養の検討や、発現が抑制された刺激によって、TRPV4遺伝子にメチル化異常が生じたかについての検討も一部が実施されたのみとなった。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)各種腸内細菌の標準株とCCDの共培養におけるTRPV4の発現、メチル化異常の変化を確認する。 2)CCDにTRPV4のメチル化異常を誘導する成分の探索を続ける。 3)便秘患者等の直腸生検検体採取の準備を行う。 4)マウス結腸上皮細胞株のTRPV4の発現及びそのメチル化異常誘発因子を検討するため、マウスTRPV4のメチル化特異的PCRの系の確立も行う。 5)無菌、及び腸内細菌の存在するマウスの結腸上皮のTRPV4発現とメチル化異常の程度、内因性TRPV4活性化因子の定量を行う準備を進める。
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Causes of Carryover |
共同利用施設からの詳細な請求額は事前には判明せず、結果的に20093円残金が生じた。次年度の物品購入または、共同利用施設の利用に充てる予定である。
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