2019 Fiscal Year Research-status Report
STEAP1を介した酸化ストレス制御による新規肝細胞癌治療法の開発
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19K08397
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高田 弘一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90398321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 元 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10792666) [Withdrawn]
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
宮西 浩嗣 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60372819)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | STEAP1 / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで報告されていないSTEAP1/NRF2シグナル経路による酸化ストレス制御機構を解析し,新規HCC治療法開発を目指している.以下に具体的な研究実績を示す. ① HCCにおけるSTEAP1の発現解析;STEAP1発現がHCC患者の予後に与える影響をGSE14520を用いて解析した.STEAP1高発現群は有意に予後不良であり,さらに非癌部に比べて癌部でSTEAP1の発現が高値であることを明らかにした.② loss-of-function analysisによるSTEAP1の機能解析;HCC細胞株にsiRNAを用いてSTEAP1をKDし,cell viabilityをWST-1 assayで評価したところ,細胞増殖の抑制が観察された.apoptosisをAnnexinV/7AADを用いたflow cytometerで解析したところ,有意なapoptosis増加は認められなかったが、Propidium Iodide によるcell cycle analysisの結果,G1 arrestが惹起されていることが明らかとなった.③ STEAP1による酸化ストレス制御ネットワークの解析;GSE14520(GPL3921)のpublic dataをGEO2Rを用いて,STEAP1の高発現群10%と低発現群10%において,differentially expressed genes (DEG)を検討。Cut-off値をadj.P value < 0.05 かつ |logFC|>2とし,Volcano plotを作成した.これらのDEGに関して,GEPIAを用いてTCGAのデータセットにアクセスし,STEAP1発現と有意な正の相関が認められる遺伝子の抽出を行った.その結果,C9,GPX2,c-Myc,ROBO1であった.はじめにc-MycについてqPCRで検討した.残念ながらSTEAP1 K/Dによってc-Mycの発現量低下は認められなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STEAP1の発現が,肝細胞癌では有意に亢進しており,かつSTEAP1高発現群が有意に予後が不良であることを見出している.さらに,si-STEAP1-RNAの評価も終了済である.STEAP K/Dによりcell cycle arrestが観察されることを新たに見出している.今後、STEAP1 K/D がROSに与える影響を解析中であり,当該研究は計画通り進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
STEAP1 K/D がNRF2に与える影響をqPCRおよび細胞免疫染色で検討する.一方,lenvatinib感受性にSTEAP1が関連しているか否かをlenvatinib耐性HCC細胞株を樹立して検討予定である.前述の検討を in vivoでも解析していく.
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Causes of Carryover |
複数のsi-RNA (STEAP1)を複数の肝細胞癌細胞株を用いて条件設定を行っていたため、PCR arrayおよびmicroarrayによるSTEAP1シグナル伝達経路の網羅的解析を中断していたため。令和2年度に同解析を進めていく。
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Research Products
(3 results)