2021 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント・タンパク質PD-L1を分子標的とした新規免疫治療法の開発
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19K08399
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
谷田 諭史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30528782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 大志 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (10771917)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PD-L1細胞内移行システム / Cullin3 / ANKFY1 / Rab5 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.胃癌細胞株におけるPD-L1蛋白発現量の検討。11種類の胃癌細胞株においてPD-L1蛋白量を比較し、PD-L1発現量の変化を検討した。NUGC3細胞がPD-L1をconstitutiveに多く発現しており、CUL3欠失により、PD-L1発現が増加していることを確認し、以後NUGC3を使用した。2.CUL3-ANKFY1結合の確認。 NUGC3細胞をlysisした後、抗ANKFY1抗体で免疫沈降した後、抗CUL3抗体でブロットした。CUL3-ANKFY1の結合を確認し、ANKFY1 siRNAオリゴにてノックダウンするとその結合が消失することを確認した。3.PD-L1の細胞内膜輸送を制御するCUL3-ANKFY1の基質探索。 CUL3-ANKFY1の基質の同定は、本申請課題の最重要課題である。各種 培養消化器がん細胞株において、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ変異体を用いた生細胞でのin vivoビオチン標識法を行った。CUL3-ANKFY1の基質の一つは、Rab5だということを同定した。4.CUL3-ANKFY1の基質欠失時のPD-L1の細胞内膜輸送変化の検討。 NUGC3細胞にANKFY1 siRNAオリゴまたは、コントロールオリゴをトランスフェクション施し、ANKFY1欠失後、蛍光標識したPD-L1抗体処置後、細胞膜から細胞内 への輸送系をmicroscopeにて観察した。また、細胞膜、細胞質、細胞核のフラクションでのPD-L1の局在発現も確認した。ANKFY1欠失により、ウェスタン解析および免疫染色により、PD-L1は、コントロールに比較して細胞膜に多く局在することが明らかになった。5.Rab5欠失時のPD-L1の細胞内膜輸送阻害効果の検討。 Rab5の欠失後ウェスタン解析および免疫染色により、PD-L1は、局在は、細胞質に留まり細胞膜へ移動が阻害されることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染拡大があり、試薬の搬入の遅延、実験助手の隔離、休暇等あり進捗が遅れている。 これまでの実験結果から追加実験の必要性が出てきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、PD-L1が細胞膜への移動阻害の詳細なメカニズムを解析している。PD-L1タンパク産生のターンオーバー遅延等の検討を行っている。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染拡大の影響で、試薬の搬入の遅れがあるため追加実験PD-L1が細胞膜への移動阻害の詳細なメカニズムを解析が行えていない。PD-L1タンパク産生のターンオーバー低下等解析のための資金となる。
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