2022 Fiscal Year Annual Research Report
免疫チェックポイント・タンパク質PD-L1を分子標的とした新規免疫治療法の開発
Project/Area Number |
19K08399
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
谷田 諭史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30528782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 大志 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (10771917)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PD-L1 / Cullin3 E3ユビキチンリガーゼ / 胞内輸送メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
programmed death-ligand(PD-L)1は、がん細胞膜蛋白であり、この分子の細胞外ドメインを標的とした抗体療法が固形がんに臨床応用されて始めている。しかし、抗体治療は、抗製剤抗体の発現による効果減弱が知られている。PD-L1の細胞膜への発現を抑制する化合物は、未だなく、PD-L1の細胞膜発現機序の探索は、がん治療戦略を考えるうえで極めて重要である。最近我々は、Cullin3(CUL3) E3ユビキチンリガーゼ複合体に結合するBTB結合蛋白(BTBP)BTBPを網羅的に調査した結果、PD-L1の細胞内膜輸送を制御するCUL3パートナーBTBPは、ANKFY1であったことを新たに見出している。次に、CUL3-ANKFY1 E3ユビキチンリガーゼの基質は、細胞内輸送関連分子 (SNX, Rabなど)の小胞体での合成後細胞膜上の発現までの移動経路(trafficking)に関与していると仮説を立て、①CUL3-ANKFY1 E3ユビキチンリガーゼの基質の探索を行い、Rab5あることを見出した。次に②CUL3-ANKFY1-Rab5複合体は、CUL3 E3ユビキチンリガーゼによるRab5のモノユビキチン化を介してPD-L1の細胞内移行、細胞膜発現を調節し重要な役割を果たすことを明らかにした。以上により、ヒト消化器がん細胞ではこれまで全く明らかにされていないCUL3依存的ながん免疫制御機能を分子レベルで解明することが出来た。
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