2020 Fiscal Year Research-status Report
クローン病における小腸特異的細菌の探索と感受性遺伝子TNFSF15の関連性の解明
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19K08401
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山本 博徳 自治医科大学, 医学部, 教授 (10311937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 智則 自治医科大学, 医学部, 准教授 (30438634)
三浦 光一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90375238)
永山 学 自治医科大学, 医学部, 助教 (80741347)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クローン病 / 小腸細菌叢 / 粘膜関連菌 / Escherichia coli / Ruminococcus gnavus / ダブルバルーン小腸内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度(2019年度)の研究で得られたクローン病患者の小腸由来のクローン病関連菌9菌株を用いて動物実験を行った。無菌マウスにクローン病関連9菌株を定着させることにより、ノトバイオートマウスを作出した。定着後3週間後に腸管粘膜固有層から免疫細胞を抽出し、フローサイトメトリーでリンパ球の解析を行なった。その結果、大腸ではIFN-γ産生性CD4陽性リンパ球(Th1細胞)が無菌マウスと比較し有意に増加するとともに、IL-17産生性CD4陽性リンパ球(Th17細胞)が軽度増加していた。 Th1細胞の増加に着目して、9菌株のどの株が最も影響しているかを検証するために、統計解析で最も群間差の大きかったEscherichia coliについてmono-colonizedマウスを作出して解析したところ、E. coli は9菌株と同等のTh1細胞誘導能を示し、E. coliを除く8菌株との比較でも有意な誘導能を認めたことから、このE. coli 35A1株がTh1細胞誘導に関わることが示された。さらにこの誘導能は他のE. coli株であるLF82株やMG1655株のmono-colonizedマウスでは35A1株と比較して弱かった。また、腸炎誘導能も35A1株が最も強かった。このことからクローン病由来のE. coli 35A1株は菌株依存的にTh1細胞誘導能と腸炎誘導能を有していることが示された。 E. coli 35A1株で誘導されたTh1細胞はDR3陽性を示していたことから、そのリガンドであるTNFSF15が関与することが推測されたが、腸管サンプルの遺伝子発現解析ではE. coli 35A1株mono-colonizedマウスと無菌マウスの間でTnfsf15の遺伝子発現の有意差は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標のうち、目標②特定されたクローン病関連菌の腸管免疫系に影響の解析、③クローン病関連菌の腸炎誘導能に関する解析、④TNFSF15/DR3シグナルの関与の検証について上記の結果を得た。 また、本結果はGut Microbes誌(Gut Microbes. 2020 Nov 9;12(1):1788898. Epub 2020 Jul 20.)と日本小腸学会総会(第58回総会、2020年10月、名古屋)で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
クローン病由来のE. coli 35A1株によるTh1細胞誘導能と腸炎誘導能が示されたことから、本菌はクローン病の病態に関わることが示唆される。現在本菌の全ゲノム解析を行っているところであり、既に解読されている他のE. coli菌株との比較を行うことにより、疾患の病態に関わる候補遺伝子を特定する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] TH1 cell-inducing Escherichia coli strain identified from the small intestinal mucosa of patients with Crohn’s disease2020
Author(s)
Nagayama M, Yano T, Atarashi K, Tanoue T, Sekiya M, Kobayashi Y, Sakamoto H, Miura K, Sunada K, Kawaguchi T, Morita S, Sugita K, Narushima S, Barnich N, Isayama J, Kiridooshi Y, Shiota A, Suda W, Hattori M, Yamamoto H, Honda K.
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Journal Title
Gut Microbes
Volume: 12
Pages: 1788898~1788898
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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