2019 Fiscal Year Research-status Report
がん間質に発現する TGF-β 誘導性分子Hic-5 を標的とした膵がんの制御
Project/Area Number |
19K08404
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
金山 朱里 昭和大学, 医学部, 准教授 (10338535)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 膵がん / がん関連線維芽細胞 / 微小環境制御 / Hic-5 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん間質は、がん細胞と並行に線状集積した細胞外マトリックス (ECM) により正常組織の間質に比べ組織硬度が増している。この間質の構成細胞の中でも「がん関連線維芽細胞 (carcinoma-associated fibroblast:CAF)」が、強いがん細胞増殖促進作用を持つことが認識されている。 申請者らは近年、活性酸素やTGF-βにより発現誘導される細胞接着斑アダプター分子 Hic-5 (hydrogen peroxide-inducible clone-5) が、がん間質のCAFに高発現しECMリモデリング制御に関与していることを見出した。さらに作成したHic-5 欠損マウスでは、大腸発がんモデルのがん発症がほぼ完全に抑制されることを報告した。そこで本研究では間質の豊富な膵がんに着目し、Hic-5 のがん間質形質制御を介した膵がん発症への寄与について、マウス個体において Hic-5 が膵がん発症を制御できる分子であるか、膵がん発症マウスモデルを用いて検討を行う。膵がん発症モデルとして PKT(Ptf1acre/+;LSL-KrasG12D/+; Tgfbr2flox/flox )マウスを用い、Hic-5欠損マウスラインを確立し生存率を比較するとともに、経時的に膵臓を摘出しサイズ、重量を計測する。さらに組織学的解析から腫瘍の深達度や、マウス遠隔臓器および隣接臓器への腫瘍転移個数を定量評価する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵がん発症モデルマウス PKT(Ptf1acre/+;LSL-KrasG12D/+; Tgfbr2flox/flox )、およびHic-5欠損マウスラインの確立が予定通り進んでおり、解析が進行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
生存率の比較とともに、経時的に膵臓を摘出しサイズ、重量を計測する。さらに組織学的解析から腫瘍の深達度や、マウス遠隔臓器および隣接臓器への腫瘍転移個数を定量評価する。
|