2020 Fiscal Year Research-status Report
がん間質に発現する TGF-β 誘導性分子Hic-5 を標的とした膵がんの制御
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19K08404
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
金山 朱里 昭和大学, 医学部, 准教授 (10338535)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵がん / がん関連線維芽細胞 / 微小環境制御 / Hic-5 / TGF-b / 細胞接着班分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは近年、活性酸素やTGF-βにより発現誘導される細胞接着斑アダプター分子 Hic-5 (hydrogen peroxide-inducible clone-5) が、がん間質のCAFに高発現しECMリモデリング制御に関与していることを見出した。当該年度は間質の豊富な膵がん発症モデルとしてPKT(Ptf1acre/+;LSL-KrasG12D/+; Tgfbr2flox/flox)マウスにおけるHic-5欠損効果の解析を継続するとともに、ヒト膵がん組織におけるHic-5発現細胞を同定した。さらにヒト膵炎、膵がんの遺伝子発現データを用いてESTIMATE Algorithmを用いた解析から、膵疾患発症過程におけるHic-5発現変化について検討を行った。またHic-5によるがん組織の細胞外マトリックス分子構造変化と力学的特性を解析するため、線維化マトリックス三次元構造解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は世情によりマウス繁殖スケールを通常の30%に縮小しなければならず、膵がんモデルマウスの生存率の比較、遠隔臓器および隣接臓器への腫瘍転移、組織学的解析に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
Hic-5によるがん組織の細胞外マトリックス分子構造変化を捉えるため、マトリックス三次元構造解析、高速フーリエ変換によるECMイメージングを引き続き検討する。さらにHic-5のがん間質制御機能について、ヒトがん組織より分離培養した細胞および膵がん細胞株を用いた共培養系を用い、Hic-5 shRNA導入によるがん細胞増殖能やがん関連線維芽細胞形質の一つである細胞外マトリックス リモデリング分子の発現変化を検討する。また膵がん細胞培養上清およびがん関連サイトカイン(TGF-β, TNF-α, SDF-1, Il-6)へのHic-5発現応答とそのメカニズムについて解析する。
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