2020 Fiscal Year Research-status Report
NASHに対するCD34陽性細胞製剤による高効率な肝再生促進と発癌抑制療法の開発
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19K08407
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中村 徹 久留米大学, 医学部, 講師 (30341332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 篤高 久留米大学, 医学部, 助教 (40647872)
安倍 満彦 久留米大学, 医学部, 助教 (70624518) [Withdrawn]
鈴木 浩之 久留米大学, 医学部, 助教 (70817832)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NASH / 肝硬変 / CD34陽性細胞 / 細胞療法 / 肝線維症 / 肝再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでにウイルス性肝硬変を対象としたCD34陽性細胞移植による肝再生治療に関する基礎研究から臨床研究まで行い、治療効果を報告・検証してきた。今後は近年増加傾向にあるNASHに起因する肝硬変を対象とした基礎的検討が必要と考え、現在基礎的研究を進めている。 食餌性NASH誘導モデルマウスはコリン欠乏メチオニン減量60%脂肪食(CDAHFD60)を給餌させて作製し、本年度は肝発癌モデルとして40週間給餌させた(モデル1)。CD34陽性細胞移植は給餌開始17週目以降、4週ごとに脾注し計6回移植した。また化学肝発癌モデルとして、DEN誘発モデルマウスも作製し、CD34陽性細胞移植は給餌開始15週目以降、4週ごとに脾注し計3回移植した(モデル2)。安全性評価として、肝臓にできた腫瘍個数とサイズ(抗腫瘍効果の有無)を測定した。 モデル1において無治療群と比較し、CD34陽性細胞移植により総腫瘍数は減少傾向にあったものの、8mm以上の大きな腫瘍数は増加していた。CD34陽性細胞移植自体に発癌作用は持たないものの、腫瘍増殖促進作用を持つ可能性が示唆された。モデル2において無治療群と比較し、腫瘍個数、サイズともに両群間に大きな差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoモデルにおいて、最も時間のかかる40週モデルマウスが作製でき、予想通りに肝腫瘍を自然発症させることに成功した。現在、さらに遺伝子解析を進めていることからおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、すでに作製済みのモデル(抗線維化治療効果判定用モデルおよび造腫瘍性試験用モデル)から採取した肝組織の解析をさらに進めていく。前者モデルにおいては、抗炎症効果、抗酸化作用について評価する。後者モデルにおいては、細胞移植群と対照群との間でマイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現のプロファイリングで細胞移植による肝発癌抑制のリスク診断指標を見出したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、国内外の学会開催が中止あるいはハイブリット形式での開催となり、旅費が大幅に減少したため。本差額の使用計画について、次年度以降の旅費あるいは遺伝子解析等の費用に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)