2019 Fiscal Year Research-status Report
胃上皮幹細胞を制御する免疫関連分子の異常による胃老化・発癌機序の解明
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19K08411
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅野 直喜 東北大学, 医学系研究科, 講師 (20526454)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NOD1 / 自然免疫 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本応募者はこれまでの研究により、自然免疫関連分子であるnucleotide-binding oligomerization domain 1 (NOD1)ノックアウトマウスの胃では、野生型マウスの胃に比して胃粘膜萎縮が顕著であることに着目した。胃粘膜萎縮を胃粘膜の老化ととらえ、NOD1の機能不全が胃上皮幹細胞を介して胃の老化を起こし、最終的には胃発癌に関与するという作業仮説のもと、その機序を解明しようと試みている。 初年度である今年度は、まず、野生型マウスおよびNOD1ノックアウトマウス胃から抽出したRNAを用いて、幹細胞維持や分化、そして老化に関連した遺伝子群の発現量の比較検討を行った。現在までの検討では、幹細胞マーカーと考えられているLgr5、Stmn1、Bmi1、Axin2の発現量に関しては、野生型マウスとNOD1ノックアウトマウスとの間に差は認められていない。 野生型マウスおよびNOD1ノックアウトマウス胃からのオルガノイド作成は順調に進んでいる。現在までのオルガノイド培養では、NOD1の有無により、オルガノイドの増殖には差があることが想定され、培養を重ねていき、さらにデータを固めていく。 NOD1により影響を受ける幹細胞維持や分化、老化に関連した新規遺伝子の同定のためには、若齢と老齢の野生型マウスおよびNOD1ノックアウトマウスの胃から作成したオルガノイドを培養・増殖させた後に、RNAを抽出してマイクロアレイ解析に提出する準備を進めている。 並行して、若齢と老齢の野菜型マウスおよびNOD1ノックアウトマウスの胃から作成したオルガノイドを用いて、senescence associated-β-gal assayを行い、3次元培養下での胃幹細胞の老化の評価を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃オルガノイドの成長が遅く、十分量のRNAが回収できるまでに時間がかかるため、まだ、当初予定していたマイクロアレイ解析提出までたどり着けていない。 一方、細胞老化を評価する手法であるsenescence associated-β-gal assayを3次元培養における胃幹細胞老化を評価する手段として確立することができつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、野生型マウスおよびNOD1ノックアウトマウスから作成した胃オルガノイドからのRNA回収を行い、マイクロアレイ解析に提出する。解析結果で判明した、NOD1の有無により影響を受ける、幹細胞維持・分化や老化・発癌に関連する新たな候補遺伝子について解析を進める。
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Causes of Carryover |
マウス胃から作成したオルガノイドの成長が、当初の想定よりも遅く、サンプル数が揃わなかったため、当年に予定していたマイクロアレイ解析を提出することができなかった。現在もオルガノイド培養は継続しており、次年度にマイクロアレイ解析に提出する予定としている。
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