2021 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞由来肝星細胞を用いた肝線維化・発癌機序の解明
Project/Area Number |
19K08415
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中川 美奈 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 准教授 (30401342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿沼 晴 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30372444)
朝比奈 靖浩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座教授 (00422692)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / 肝星細胞 / M2BPGi / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまでに、研究グループで独自に構築した2000例以上の前向きコホートデータを用いた多施設共同研究により、C型慢性肝疾患の発癌予測マーカーとしてM2BP糖鎖修飾異性体(M2BPGi)が有用であることを報告してきた。本研究は肝線維化と肝星細胞の活性化機構に着目し、基礎研究と臨床研究の両面からアプローチすることで、未だ充分明らかではない、C型肝炎ウイルス駆除(SVR)後の肝発癌機構の解明、M2BPGiの機能的意義の解析を行うことを目的とした。 基礎研究では、ヒトiPS細胞由来肝間葉系細胞(星細胞)の分化誘導法の確立と、本細胞と独自に開発したヒト肝細胞オルガノイドとの共培養系確立を進めた。本細胞と肝細胞系譜細胞を共培養すると培養上清中のM2BPGiの濃度が上昇することが示され、その機能的意義と分子機構を解析し、その結果の一部はJDDW2021などで発表した。ヒトiPS細胞由来肝細胞オルガノイドはヒトiPS細胞由来星細胞と共培養を行うことで慢性炎症モデルへの応用可能と考え、引き続き多細胞種を用いたオルガノイドの確立を進めている。 臨床研究では2000例以上の前向きコホートデータを基盤にした多施設共同研究をさらに拡大し、抗ウイルス治療後の発癌および生命予後の解析を行った。今年度は、欧州・米国・アジアから広くデータを集める世界的なメタ解析に参画した。今回我々が参加したメタ解析(21施設、977例)でもDAA使用群と非使用群で肝癌再発に有意差はないことが示され(Sapena, Nakagawa, et al. Gut, 2022)、抗ウイルス治療前の肝癌既往の有無にかかわらず、SVR後は肝の炎症、線維化改善などにより発癌抑止効果を有すると考えられた。これらの結果を基盤として次年度から行う新規科学研究費研究課題では、慢性炎症に伴う肝線維化機構の解明を継続して進める予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Liver-related events after direct-acting antiviral therapy in patients with hepatitis C virus-associated cirrhosis2022
Author(s)
Tahata Y, Hikita H, Mochida S, Enomoto N, Kawada N, Kurosaki M, Ido A, Miki D, Yoshiji H, Takikawa Y, Sakamori R, Hiasa Y, Nakao K, Kato N, Ueno Y, Yatsuhashi H, Itoh Y, Tateishi R, Suda G, Takami T, Nakamoto Y, Asahina Y, et al.
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Journal Title
Journal of Gastroenterology
Volume: 57
Pages: 120~132
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Hepatocellular carcinoma recurrence after direct-acting antiviral therapy: an individual patient data meta-analysis2021
Author(s)
Sapena V, Enea M, Torres F, Celsa C, Rios J, Rizzo GEM, Nahon P, Marino Z, Tateishi R, Minami T, Sangiovanni A, Forns X, Toyoda H, Brillanti S, Conti F, Degasperi E, Yu ML, Tsai PC, Jean K, El Kassas M, Shousha HI, Omar A, Zavaglia C, Nagata H, Nakagawa M, Asahina Y, et al.
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Journal Title
Gut
Volume: 71
Pages: 593~604
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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