2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K08420
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 義人 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80647123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新崎 信一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60546860)
辻井 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (80795170)
飯島 英樹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90444520)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 癌微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / オートファジー / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、癌微小環境を構成する主要成分であり線維芽細胞の活性化機構を明らかにし、大腸癌進展抑制のため癌関連線維芽細胞を標的とした新規治療法を開発することを目的としている。申請者は、大腸癌細胞由来のエクソソームが線維芽細胞を活性化し、特にp53機能欠損大腸癌細胞から分泌されるエクソソームがより強く癌関連線維芽細胞に特徴的な形質を誘導することを見出した。同時に、p53機能欠損大腸癌細胞株由来エクソソームが、線維芽細胞のオートファジーを誘導することを見出した。以上の結果をふまえ、線維芽細胞活性化機構において、オートファジーが果たす役割を検討している。また、癌細胞におけるオートファジーの意義を明らかにするために、オートファジー抑制蛋白であるルビコンを腸管特異的に欠損させたVillin-Creルビコンノックアウトマウスを作成し、デキストラン硫酸ナトリウムとアゾキシメタンを用いた大腸発癌実験も行っている。これまでに、線維芽細胞においてオートファジーを促進すると線維芽細胞が活性化し癌関連線維芽細胞に特徴的な遺伝子発現が有意に認められること、線維芽細胞と共培養した癌細胞の増殖能が有意に増加すること、線維芽細胞におけるオートファジーを抑制すると癌関連線維芽細胞に特徴的な遺伝子発現が有意に抑制されること、ヒト大腸癌検体において非腫瘍部と比してルビコンの発現が亢進していること、ルビコンの発現は早期大腸癌に多いことなどを見出している。癌細胞におけるp53機能欠損が、分泌エクソソームの形質変化につながり、周囲に存在する線維芽細胞にオートファジーを誘導し活性化させること、活性化した線維芽細胞が癌細胞の増殖能を亢進させることにつながる循環によって大腸癌の進展が誘導されること、という仮説に対して、より詳細な機構を明らかにするために研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスを使用した化学発癌モデルの実験は終了し、大腸癌微小環境におけるオートファジーが重要な役割を果たしていることを明らかにしつつ、研究を進めている。すでに、線維芽細胞のオートファジーを引き起こすp53機能欠損大腸癌細胞由来エクソソーム中のマイクロRNAを同定している。現在は、同定したp53機能欠損大腸癌細胞由来のエクソソームに含まれるマイクロRNAの機能解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
線維芽細胞におけるオートファジー機構を明らかにする。具体的には、線維芽細胞のオートファジー関連蛋白の発現を検討し、その意義について解析を行う。さらに、皮下腫瘍モデルマウスを用いて、大腸癌の増悪進展機構に関わる意義を検討し、新規治療標的の可能性を明らかにする。
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Research Products
(1 results)