2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K08421
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大井 充 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70448174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 奈美子 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40645214)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腸内環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌の発生は、疫学的データや、動物モデルにおいて食事と関連があることが示唆されている。大腸癌の多くは良性腫瘍の腺腫から発生するが、その過程に食事などの栄養素による腸内環境の差異が関与する可能性があり、大腸腺腫の成長抑制が大腸癌予防として利用できるのではないかと考えられる。 先行研究において、大腸腫瘍では、アミノ酸トランスポーターの有意な発現上昇があり、大腸癌では短鎖脂肪酸受容体GPR43の発現が減少するなどを確認していたため、腫瘍組織は正常組織とは異なる栄養源を利用できるよう制御されていると考え、本課題では、腫瘍モデルであるApcMin/+マウスを利用し、アミノ酸トランスポーターやGPR43の腫瘍発生への関与について検討を重ねた。結果、GPR43-/-ApcMin/+マウスでは、腫瘍が増加し、この機序においてはアミノ酸のセンサーでもあるmTOR経路の阻害が関わることを示唆するデータを得た。更に、アミノ酸トランスポーターであるL-type amino acid transporter 1 (LAT1)が、腸管上皮のみで欠損するコンディショナルノックアウトマウスを腫瘍モデルと掛け合わせたLAT1folx/flox;Villin-Cre;ApcMin/+マウスを作成し解析を進め、このマウスでは腫瘍が減少することが確認できた。これらの成果は1報を論文化し報告することができ、アミノ酸トランスポーターについて、2報目を作成している状況である。
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Research Products
(1 results)