2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K08422
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大西 秀樹 岡山大学, 大学病院, 講師 (30595468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能祖 一裕 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (10314668)
白羽 英則 岡山大学, 大学病院, 講師 (40379748)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アガラクトシル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1)肝癌で産生されている、免疫グロブリン糖鎖のガラクトースの低下、及び非癌肝細胞で産生されている糖タンパクの3分岐糖鎖を上昇させる物質を同定し、2)これらが癌の進行・転移にどのようにかかわっているかを明らかとする。そして3)これらの糖鎖変化をもたらす物質をターゲットとした肝癌の診断・予後予測、そして治療の可能性を探索することである。現在免疫グロブリンのガラクトースを低下させる物質が、ある一定の大きさを持ったvesicleに含まれている事まで突き止めることができている。その普遍性を明らかとする研究に着手している。免疫グロブリンのガラクトースの変化は癌種を超えた現象であるため、他の癌においても同様の実験結果が得られると考えている。この普遍性が明らかとなれば、今後の研究の根幹が確固たるものとなり、同定された分子の臨床応用の可能性が高まると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では初年度にアガラクトシル化と3分岐糖鎖を上昇させる物質の同定を進める予定であったが、アガラクトシル化については比較的順調に進んできたが、3分岐糖鎖については難航している。原因として、3分岐糖鎖を解析する網羅的糖鎖解析が、糖鎖濃度が低いため順調に進んでいないことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはガラクトースの発現変化に絞った研究を先行し、アガラクトシル化を引き起こしている物質の同定を行う。また3分岐糖鎖については、糖鎖発現自体を同定することに固執せず、多分岐糖鎖の形成にかかわるGnTVとシアル酸結合にかかわるST6GalIの遺伝子発現をB細胞で確認することに集中し、それを引き起こす物質の同定を行ってゆく予定である。
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Causes of Carryover |
既存の試薬・細胞株での検討が主となっていたため、当該年度の支出が少なくなった。次年度には予定を超えた支出が予想されるため、繰り越しとした。
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