2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒト門脈血液中に検出する細菌種解析による肝疾患形成の解明
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19K08451
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
渡邊 綱正 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20338528)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 肝疾患 / 門脈血 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内環境からみた新たな肝疾患治療戦略の科学的根拠を見出すことを目的に、独自の方法によって合計28例のヒト門脈血液を採取した。さらに、同一個体から同時に採取した糞便と門脈血も併せて、次世代シークエンスによる腸内細菌叢メタゲノム解析を進行中である。まだ解析途中であるが、現時点までの結果では、門脈血流内に細菌DNAが検出され、さらに多くの症例では糞便中の細菌叢と門脈血液で検出される細菌叢が異なり、閉鎖系である腸肝循環に作用する細菌は、受動的に流入するのではなく、選択的に門脈血液内に細菌が流入している可能性が示唆された。現在は、疾患特徴的な細菌種の同定について解析中である。また、引き続きメタボローム解析について、サンプル採取の方法ならびに処理方法を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次世代シークエンサー測定は概ね終了したが、膨大なデータの統計解析に難渋している。従来の腸内細菌叢「門」レベルの解析結果では不十分であり、解析技術の進歩による「科」レベルまでの解析結果を求めて、さらなる解析を行う準備を進めている。さらに、データ解析についても統計学者と共同研究を開始したため、今後は加速的に解析結果が出るものと予測する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はこれまでに行った次世代シークエンサーの結果解析について、統計学者と相談して論文にまとめる予定である。また、メタボローム解析についても解析を進め、肝疾患特異性のある細菌種の同定を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、予定通り研究が進行しなかった。 次年度に予定を延期し、研究を遂行する予定である。 具体的には次世代シーケンサーで得られた膨大なデータについて、解析ソフトを駆使しながら、統計学者とdiscussionを行い、細菌叢の「科」レベルの解析結果について統計解析を進める予定である。
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Research Products
(4 results)