2021 Fiscal Year Annual Research Report
食道扁平上皮特異的な細胞増殖・分化に関わる新規分子の機能解析
Project/Area Number |
19K08457
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
河村 由紀 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 消化器病態生理研究室長 (10392391)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食道扁平上皮 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
消化管粘膜は、幹細胞から上皮細胞が新しく供給されることによりその恒常性が保たれている。胃・腸では幹細胞マーカーであるLgr5、Bmi1等が同定されており、幹細胞のheterogeneityと共にそれらの機能の詳細な解明が進んでいる。これに対し、食道粘膜では基底部に存在する基底細胞が、非角化重層扁平上皮細胞に分化しながら管腔側へと移動することが知られているが、胃や腸の幹細胞に相当する細胞が存在するか、その特異的分子マーカーの同定も含めて詳細は明らかにされていない。本研究では、我々が見出したヒト基底細胞に限局して発現する分子群のうち、グルタチオンS-転移酵素ωクラスに属するGSTO2に着目した。これまでにヒト扁平上皮癌細胞株への強制発現により、GSTO2が上皮細胞の増殖ならびに分化マーカーであるE-カドヘリン発現を抑制することを示した。さらに、GSTO2がE-カドヘリン発現を制御する分子メカニズムについて解析し、GSTO2はmesenchymal-epithelial transformation (MET)を誘導するSnailやSlugを介してE-カドヘリンの転写を制御しているのではなく、p38のリン酸化亢進によりβ-カテニンのリン酸化を惹起すること、リン酸化により裏打ちタンパク質であるβ-カテニンの分解が促進された結果、E-カドヘリンの膜局在が失われるという、E-カドヘリンのposttranscriptionalな発現制御機構を明らかにした。正常食道粘膜においては、GSTO2はKi67増殖マーカー陽性基底細胞の直下に位置する、Ki67陰性の基底細胞に限局して発現するが、高脂肪食摂餌マウスモデルを用いた検討により、食道-胃接合部に出現する異形成上皮においてGSTO2発現細胞が増加することを新たに見出した。
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Research Products
(4 results)