2019 Fiscal Year Research-status Report
Pathophysiological role of inflammatory and metabolic signals during aortic aneurysm formation in Marfan syndrome
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19K08484
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 憲文 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60436483)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マルファン症候群 / 大動脈瘤 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
マルファン症候群(MFS)やロイスディーツ症候群(LDS)は、若年で致死的な大動脈解離を発症する。MFSではフィブリリン1の構造・機能破綻のために組織脆弱性とトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)シグナルが活性化するが、その他のシグナル伝達は不明である。LDSでは1,2型TGFβ受容体に異常があり、in vitro 機能解析では機能喪失型であるが、実際の動脈壁でのTGFβシグナルが活性化しており(TGFβパラドックス)その分子病態は不明である。 外科検体の検討から、重症例ほど大動脈外壁への炎症細胞の浸潤が多く、病態の進展に大きく関与していることが示唆された。本課題では、複数の遺伝性大動脈瘤・解離モデルを用いて発症・進展における炎症細胞の役割を明らかとすることで、MFSやLDSにおけるTGFβシグナルやその他の炎症シグナルの意義を明らかとしたい。特にマクロファージにおけるTGFβシグナルの意義に着目し、病態モデルマウスとマクロファージ特異的遺伝子改変マウスを用いた解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動脈壁には多数がマクロファージが浸潤しており、動脈壁の間質で活性化したTGFβが、マクロファージでのTGFβシグナル活性化を介して更に動脈瘤進展を助長している可能性がある。MFSとLDSモデルにおいて、マクロファージ特異的にTGFβ受容体機能を低下させることで、動脈瘤や解離進展へのアクセルを鈍化できる可能性がありこれを検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロファージ浸潤・活性化およびその後の動脈瘤進展過程には、平滑筋とマクロファージとの相互関係において、TGFβを含む複数の液性因子の関与などが想定される。両者の関係性について、in vitro実験での検証も行うため、遺伝子情報を反映した共培養系を構築して検証する予定である。また、非症候群性の遺伝性大動脈瘤・解離症においても同様の病態が関与している可能性があり、平滑筋ミオシンの遺伝子改変マウス(作成済)を用いて検証することで、遺伝性大動脈瘤・解離症全般における新たな診断・治療手法の開発に資するシーズを見出したい。
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Research Products
(16 results)