2019 Fiscal Year Research-status Report
Ultra-high resolution mapping of atrial tachycardia
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19K08487
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
宮崎 晋介 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特命准教授 (60787711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 奏恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (20770358)
青山 大雪 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特命助教 (40836805)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心房頻拍 / 超高密度マッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
心房頻拍の機序解明・治療のため2年間で70症例に対して超高密度マッピングシステムを用いた心房マッピングを行い、うち心房細動に対するカテーテルアブレーション後心房頻拍が33例、心臓外科術後心房頻拍が8例であった。心外膜側のマッピングのために6例に対しマーシャル静脈の造影を行い、うち4例では1.8Frカテーテルを挿入可能でありマッピングを施行した。心房頻拍の機序はマクロリエントリーとして、左房天蓋部を介する心房頻拍11例、僧帽弁輪周囲を旋回する心房頻拍10例、三尖弁輪を旋回する心房頻拍が5例であった。局所リエントリーとして、左房前壁の低電位領域を頻拍回路に含む頻拍を3例、その他の部位の局所リエントリーを7例に認めた。左肺静脈と左心耳の間を回路に含む頻拍は3例に認め、うち2例では冠静脈洞・心外膜側に挿入したカテーテルによって心外膜側を介する頻拍であることを証明した。巣状頻拍は2例に認め、いずれも左房起源であった。心臓外科術後症例においては三尖弁輪を旋回する頻拍が4例、左房天蓋部を介する頻拍が2例、僧帽弁輪を旋回する頻拍を3例、外科切開線を介する頻拍を2例に認めた。いずれも頻拍回路の峡部または起源に対する高周波によるカテーテルアブレーションにより治療に成功し、術中に心房頻拍の誘発は不能になった。3例においては心房頻拍の再発を認め、再治療により頻拍は再度、誘発不能となった。これらの結果から、心房細動アブレーション後および外科手術後の心房頻拍はマクロリエントリーによるものが多いが、その回路の詳細は症例により様々であり、頻拍回路の峡部を同定して同部位へ通電することが最良と考えられた。またこれらの頻拍は必ずしも以前の治療部位とは関係なく、もともと存在する心筋障害部位を回路に含む頻拍もあり、低電位領域を有する症例では心房頻拍発症のリスクが高いことも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心房細動アブレーション治療後の心房頻拍症例はほぼ予定通りの症例数であり、超高密度マッピングのデータは蓄積されている。心臓外科術後心房頻拍の症例数は予定よりやや少ない状況であり今後も蓄積が必要である。マーシャル静脈が十分に造影され、かつ1.8Frカテーテルを挿入できる症例は限定されること、心外膜側を回路に含む心房頻拍は症例が少ないことから、こちらも引き続き症例の蓄積が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き心房細動アブレーション後、心臓外科手術後の心房頻拍症例に対して超高密度マッピングを続け症例数を蓄積する。また心房細動アブレーション後の心房頻拍に関しては詳細な回路、初回治療部位との関係、低電位領域との関係などをオフラインで解析を行い、学会発表・論文発表をする予定である。
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Causes of Carryover |
解析にはある程度の症例数の蓄積が必要であるため、予定していた物品費(解析用機器やソフトウェア)の購入予定を初年度から2年目に変更したこと、また予定していた長時間心電計が高額で患者フォローアップには購入できる台数が足りないと判断したため、より値段の安いイベントレコーダーで数を多く購入する方針に切り替え、初年度は最低限の必要台数のみの購入としたため、残額を次年度に繰り越しとした。上記購入のために次年度に使用する予定である。
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