2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K08494
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
竹本 和司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80773803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 久美子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10382152)
田中 篤 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50458072)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 画像診断 / 心筋浮腫 / 重症心疾患 / 超音波診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な心疾患の急性期に出現する心筋浮腫は、非常に大きな臨床的意義を有する病態である。急性期における心筋浮腫の診断は困難である。急性心筋梗塞、心サルコイドーシス、アミロイドーシスなどの重症心疾患の急性期に出現するが、浮腫部分は適切な治療が行わないと時間経過とともに繊維成分に置換され、不可逆的な心筋障害を起こすことから、心筋浮腫の診断は非常に大きな臨床的意義を有する。 非線形超音波法は、射出された超音波により標的内で副次的に生成される非線形信号を捕捉し、画像化する画像診断法である。我々が経験した臨床例の検討から、心筋浮腫部位では非線形信号の低下が示唆された。本研究の目的は、非線形超音波法を用いた心筋浮腫の診断である。ブタ心臓浮腫モデル、非線形超音波法、人工知能を用い、心筋浮腫特有の非線形信号パターンを抽出し、さらに非線形評価指数を併用し、浮腫の存在と程度を診断するアルゴリズムを作成する。臨床試験から非線形超音波法による心筋浮腫診断の有用性を明らかにする。本研究から非線形超音波診断法による心筋浮腫診断が可能となれば、急性期にベッドサイドで心筋浮腫の診断が可能となるため、心疾患診療に大きな福音をもたらすことになる。 現在、心臓MRI(CMRI)が診断のゴールドスタンダードとされているが、血行動態が不安定な心疾患急性期に、検査時間が長く磁器遮蔽空間で行うCMRIの施行は困難である。心臓超音波法は心疾患急性期でも、ベッドサイドで繰り返し施行可能なため心疾患に必要不可欠な診断機器となっている。我々は、非線形超音波法で、心サルコイドーシスに伴う心筋浮腫を経験したが、超音波法単独では心筋浮腫の診断は困難であった。我々は、超音波反射の信号のレベルを分類できるソフトを入手し、浮腫部分と健常心筋の反射波の違いについて検討を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、超音波機器会社Canon medicalシステムズと共同で心筋浮腫の研究を行うこととなっていたが、装置の情報を開示することができないことから、共同研究を辞退することとなった。新しく研究に協力が得られた日立ヘルスケアシステムズ株式会社の超音波装置は、記録した画像から超音波反射波解析が可能なソフトがあり、研究に協力してもらえることとなった。現在日立メデイカルシステムズの超音波装置と心臓MRI検査で心筋浮腫の症例を収取している。また新型コロナウイルス感染症で、感染予防の観点から超音波検査件数が減少している。
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Strategy for Future Research Activity |
心筋浮腫のある症例を超音波検査及び心臓MRIを施行して、MRIの浮腫部分と正常心筋部分を超音波画像と対比する。各部分の超音波反射波を記録し、浮腫部分と正常心筋の反射波の違いから心筋浮腫部分の診断が可能か検討する。
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