2020 Fiscal Year Research-status Report
心臓突然死に関連する遺伝子異常・多型の解明と人工知能(AI)の応用
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19K08505
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
相庭 武司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (40574348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 篤 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (50392014)
西村 邦宏 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (70397834)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 突然死 / 心電図 / 心筋症 / 心室細動 / 不整脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性QT延長症候群(LQTS)を中心に、Brugada症候群、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍、その他洞不全症候群などの原因遺伝子:KCNQ1, KCNH2, SCN5A, KCNE1, KNCJ2, RYR2などを解析し遺伝性不整脈に関連する236バリアントを登録した。 先天性QT延長症候群1型(LQT1)853例(発端者485例)を対象にKCNQ1遺伝子の合計139バリアントについてACMG/AMPガイドライン分類を用いて疾患原因との関係度を病的:Pathogenic, 病的の可能性が高い:Likely pathogenic, 病的意義不明:VUS(:variant of unknown significance)に分類し、バリアントの部位や臨床所見:QTc時間とともに失神発作のリスクを評価した。 先天性LQTSおけるGWASを用いた国際共同研究から、Common genetic variantであってもQT延長に影響することを発表し、またKCNQ1, KCNH2, SCN5Aのバリアントによる表現型との関係を報告した(Circulation. 2020 Jul 28;142(4):324-338)。 Brugada症候群におけるSCN5AバリアントをGenetic risk scoreを用いて評価を行った。(Circ Genom Precis Med. 2020 Dec;13(6):e002911. ) さらに2020年度は次世代シーケンサにて不整脈関連62遺伝子を搭載したパネル解析を116例に実施し、また遺伝性が疑われる心筋症についても心筋症関連43遺伝子を搭載した遺伝子パネル解析を8例に実施した。 今後はこれらのバリアントについてAIを用いた解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の蔓延に伴い臨床検査部においてはCOVID-19の抗原検査、PCR検査などの業務が増加し、また非常事態宣言下での共同研究者との打ち合わせ、患者サンプルの収集にも多大な制約があり十分な数のサンプルが集まっていない。またゲノムデータをAI(人工知能)に解析するための作業についてもコロナ禍で分担研究者との作業に支障を来したため遅延している。 また全ゲノム解析データについても解析を予定しているが、倫理審査のための計画書変更作業の遅れ等で遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
全ゲノム解析データ、全エクソン解析結果、さらにパネル解析結果などを用いて心臓突然死に関連するバリアント・遺伝多型をAIから予測、同定する。さらにそれらの重みづけを行いPolygenic risk scoreを計算することを目標とする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の蔓延に伴い、本研究の進捗が遅れているため。
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Research Products
(5 results)