2022 Fiscal Year Annual Research Report
血管における糖鎖シグナルの制御を介した動脈硬化症治療の解明
Project/Area Number |
19K08527
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
八木 敬子 神戸薬科大学, 薬学部, 研究員 (00309436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江本 憲昭 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (30294218)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 血管糖鎖 / プロテオグリカン |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人死亡原因の約25% を占める脳血管疾患や心疾患は動脈硬化性疾患である。現在、動脈硬化を直接治療する薬はなく、新しい病態メカニズムの解明が必要である。 動脈硬化症の発症・進展仮説の一つに「貯留反応説」がある。LDL(Low Density Lipoprotein:低比重リポタンパク質)コレステロールの血管壁への蓄積が動脈硬化症の発症起点とするもので、LDLコレステロールの貯留に血管壁の糖鎖が関わるとするものだが、その詳細な分子機構はわかっていない。本研究は、動脈硬化症の発症・進展における糖鎖伸長機構をあきらかにするとともに、糖鎖の伸長を抑制することが、動脈硬化発症・進展を防ぐことになるかを検証することを目的とする。 これまでの研究代表者らの研究成果で糖鎖の伸長を抑制することで動脈硬化の発症・進展を抑制することが明らかとなった。しかし、その責任細胞として血管平滑筋細胞とマクロファージのいずれの糖鎖が重要であるのかは不明である。そこで、野生型マウスと糖鎖合成酵素 (ChGn-2: Chondroitin sulfate Nacetylgalactosaminyltransferase-2) 遺伝子欠損マウスを用いてそれぞれ骨髄移植を実施し、大動脈における動脈硬化の表現型を解析した。 また、血管平滑筋培養細胞を多層に培養した上に単層の血管内皮細胞を培養するin vitroの「三次元培養血管」モデルを用い、蛍光標識したLDLコレステロールと糖鎖の結合を可視化する病態再現モデルの確立を試みた。その結果、培養条件の最適化により単層の血管内皮細胞と重層の血管平滑筋細胞を培養することが可能になった。
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