2019 Fiscal Year Research-status Report
次世代型HDL模倣ペプチドの多機能性と安全性の検証
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19K08528
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 伸一郎 福岡大学, 医学部, 教授 (20343709)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HDL模倣ペプチド / 動脈硬化 / 抗炎症作用 / 抗アポトーシス作用 / 血管新生作用 / 心筋虚血再灌流 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代型HDL模倣ペプチドにおける動脈硬化抑制作用以外の心筋虚血再灌流後の抗不整脈や予後改善効果・心不全抑制 Reverse Remodeling効果、虚血下肢の血管新生による血流改善効果といった多機能性を検証する。臨床研究の承認へ向けて、安全性薬理試験・薬物動態試験・毒性試験を行い、安全性を確認するトランスレーショナルサイエンスを実践することを目的としている。HDL治療は、現在まで臨床研究が実施されたが投与量が多く体内蓄積やリン脂質を含有するなどの問題があり、治療薬として承認されていない。今回は、次世代型HDLペプチドとしてさらに強力な動脈効果抑制薬として開発した。研究1として、次世代型HDL模倣ペプチドの抗炎症作用、抗アポトーシス作用、血管新生作用をIn vitroにて検証することとした。抗炎症作用は、細胞へHDL模倣ペプチドを投与し、炎症に関与するケモカインにより誘導される接着因子を測定し、抑制されることがわかった。また、抗アポトーシス作用は、Annexin-V-FITC法を確立し、現在、測定中である。さらに、血管新生作用は、内皮細胞をマトリックスゲル上に蒔き、HDL模倣ペプチドを投与し管腔形成作用を観察する方法を確立した。また、容量依存性、最適濃度の設定を検討中である。研究2として、次世代型HDL模倣ペプチドにおける心筋虚血再灌流後の抗不整脈や予後改善効果・心不全抑制 Reverse Remodeling効果を動物実験にて検証を行う予定で、心筋虚血再灌流後モデルの作製方法を確立した。今後、次世代型HDL模倣ペプチドの有効性を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代型HDL模倣ペプチドの抗炎症作用、抗アポトーシス作用、血管新生作用の実験方法の確立とその効果を検証中であること、さらに、心筋虚血再灌流後モデルの作製方法を確立し、今後、動物実験に入る予定であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、早期に次世代型HDL模倣ペプチドの抗炎症作用、アポトーシス作用、血管新生作用をIn vitroにて検証を終了させ、動物実験に移る。動物モデルの確立はほぼ終了しており、次世代型HDL模倣ペプチドにおける心筋虚血再灌流後の抗不整脈や予後改善効果・心不全抑制 Reverse Remodeling効果を動物実験にて検証し評価する。さらに、研究3として、次世代型HDL模倣ペプチドにおける虚血下肢の血管新生による血流改善効果を動物実験にて検証へと進む予定である。
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