2020 Fiscal Year Research-status Report
心臓再同期療法の治療反応性指標の確立;左室内渦血流動態からのアプローチ
Project/Area Number |
19K08532
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
飯野 貴子 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (70620871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 博之 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80323145)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 左室内同期不全 / 心臓再同期療法 / 左室内渦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新規心エコー技術であるVector Flow Mapping技術を用いて、心臓再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy; CRT)施行前にresponderかnon-responderかを予測する新規指標を確立することである。研究初年度である前年度は、左室内同期不全時の左室内渦動態の特徴を明らかにすることを目的とし、研究を行った。その結果、同期時には、等容弛緩期に左室内渦がほとんど検出されないのに対し、左室内同期不全時には、等容弛緩期に高率に左室内渦が検出されるという結果を得た。その結果を基に、左室内渦動態の特徴がCRT治療効果予測新規指標と成り得るかを明らかにすることが、当該年度以降の課題である。前年度に引き続き、当院でCRT植え込み術を施行した症例を対象に、左室内渦動態解析を行っている。まだ登録症例数が少ないため、responder群とnon-responder群に分けての比較検討はできていない。今後、さらに登録症例数を増やし、responder群とnon-responder群の左室内渦動態の違いを明らかにする。 本研究により、術前にCRTの治療有効性予測に有用な指標が明らかとなれば、心不全患者の治療選択に大きなインパクトがある。CRTは侵襲的な治療法であり、術前に治療効果を的確に予測することが重要である。これまでの研究で明らかとなった左室内同期不全時の左室内渦動態の特徴をCRT植え込み後の治療効果予測へも応用し、研究を遂行したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度である前年度は、左室内同期不全時の左室内渦動態の特徴を明らかにすることを目的として研究を行った。研究成果について、学会発表などを通じて国内外の研究者とディスカッションすることができ、今後、研究をすすめるにあたって有用であった。前年度から継続して、心臓再同期療法を施行された症例のデータ収集と解析を行っている。登録できた症例については、順調に解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、対象となる心臓再同期療法施行症例の登録、データ収集を行う。取得するデータは当初予定した通りである。研究結果がまとまり次第、学会発表、論文作成に移行する。
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Causes of Carryover |
当該年度については、すでに有している機器で研究の遂行が可能であったため、新たな物品の購入は不要であった。また、研究の成果を発表するため参加した全ての学会が、新型コロナウイルス感染症流行のためオンライン形式での開催となったため、旅費も不要となった。以上のことから、次年度使用額が生じた。今後、症例登録、データ解析を進めるうえで必要となる物品費用、情報収集や結果報告などのための学会参加旅費、論文作成費用にあて、研究を遂行する。
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Research Products
(3 results)