2019 Fiscal Year Research-status Report
Epigenome alternations of sarcomeric genes in human dilated cardiomyopathy
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19K08547
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 衛 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 客員准教授 (90305996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大桃 秀樹 岩手医科大学, いわて東北メディカル・メガバンク機構, 特命講師 (90453406)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エピジェネティクス異常 / 拡張型心筋症 / サルコメア蛋白遺伝子群 / DNA メチル化 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
拡張型心筋症(DCM)は、難治性心筋疾患の一つである。特に、若年発症例は、生命予後が極めて悪く、その発症メカニズムの解明は急務である。本研究では、DCMでのサルコメア蛋白遺伝子群の後天的遺伝子制御異常としてエピジェネティクス異常に着目し、以下の3つの項目を目的として挙げる。 1) DCM群および対照群から採取した心筋生検組織を対象とし、サルコメア蛋白遺伝子群をコードするCpGサイトのDNAメチル化解析を行い、DCMに特異的なDNAメチル化部位を同定する。 2) 上記のサルコメア蛋白遺伝子のトランスクプトーム制御する microRNA 発現異常について解析を行い、DNA メチル化との関連解析を行いDCMの発症のメカニズムを探求する。3) 病態の進行および生命予後に関連するエピジェネティクス制御異常を探索する。 本年度は、症例のリクルートおよび心筋生検サンプルの収集を行い、さらに、DNAメチル化解析およびmicroRNA解析のための研究方法の確立を目指した。孤発性DCMでのサルコメア蛋白遺伝子のエピジェネティクス異常の解析のために、対象をdiscovery group、replication groupおよびcontrol groupに分類し、症例のリクルートおよびサンプル収集を行った。 さらに、本実験の方法論の確立のために、研究への参加の同意を得た大動脈弁狭窄症(AS)群および対照群を対象とし、末梢血単核細胞(PBMCs)での次世代シーケンサー(NGS)を用いたエピゲノムワイド関連解析(EWAS)を実施し候補DNAメチル化部位を同定し、PyroMark システムにより検証した(Nasu T, et al. Circ Genom Precis Med. 2020;13:e002649)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、症例のリクルートおよび心筋生検サンプルの収集を行い、さらに、DNAメチル化解析の研究方法の確立を目指した。対象をdiscovery group、replication groupおよびcontrol groupに分類した。 Discovery group:岩手医科大学付属病院へ入院となり、「拡張型心筋症ならびに関連する二次性心筋症の診療に関するガイドライン」(2009年~2010年合同研究班報告)の診断基準に合致した孤発性DCM 66例について、研究参加の同意を取得した。経大腿アプローチにより右心側心内膜心筋生検を施行し、右室側心室中隔から心筋組織を採取した。 Replication group:大阪大学付属病院へ入院となり、上記ガイドラインに合致した孤発性DCM 16例について研究参加の同意を取得し、右心側心内膜心筋生検を施行し、右室側心室中隔から心筋組織を採取する予定となっている(現在、大阪大学と協議中)。 Control group:心収縮障害および炎症所見を有さない心筋症66例について、研究参加の同意を取得した。右心側心内膜心筋生検を施行し、心筋組織を採取した。 実験の方法論の確立:研究への参加同意を得られたAS群44例および年齢・性差がマッチした健常者44例を対照群とした(discovery study)。Discovery studyとは異なるAS群50例および年齢・性差がマッチした健常者50例を対照群とした(Replication study)。EWASおよびパイロシークエンス法により、TRIB1遺伝子のDNAメチル化異常が、ASの発症に関連する可能性が示唆された(Nasu T, et al. Circ Genom Precis Med. 2020;13:e002649)。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上記のdiscovery groupおよびcontrol groupを対象とするPyroMark システムを施行し、DCMに特異的なサルコメア蛋白遺伝子群のDNAメチル化サイトを同定する。Replication groupで同様の検討を行い、サルコメア蛋白遺伝子群のDNAメチル化サイトを検証する。 サルコメア蛋白遺伝子群のDNAメチル化解析:各群での心筋生検組織よりゲノム DNA を抽出し、これらのゲノム DNA の断片化処理を行う。ゲノム DNA をバイサルファイト処理後、サルコメア蛋白遺伝子群(β-ミオシン重鎖 1、トロポニン T、トロポニン I およびα-トロポミオシン遺伝子)をコードする CpG サイト のメチル化について、PyroMark システム(既存 PyroMark, QIAGEN)を用いて、バイサルファイト処理後のゲノム DNA を解析する。 サルコメア蛋白遺伝子群のトランスクリプトーム解析:心筋生検組織より small RNA を含む total RNA を抽出する。サルコメア蛋白遺伝子関連 microRNA 群の発現を real-time RT-PCR 法で解析する。Real-time RT-PCR 法を用いて、サルコメア蛋白の転写産物を含む活性遺伝子または転写産物を検出し定量する。 関連解析:上記の結果をもとに、サルコメア蛋白遺伝子関連 microRNA およびサルコメア蛋白の 転写産物の発現異常との関連性を検索し、孤発性 DCM でのエピジェネティクス異常を明らかにする。 追跡調査:DCM群での追跡調査の評価項目は、1) 心機能評価 (心エコー図、症例によってはスワン ガンツカテーテル検査)、2) 心血管イベント (心不全、不整脈、脳卒中などによる入院 あるは死亡)、3) 運動耐応能の評価とする。
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Causes of Carryover |
今年度は、主にサンプル収集に専念し、来年度以降、 PyroMark システム(既存 PyroMark, QIAGEN)を用いて、バイサルファイト処理後のゲノム DNA を解析する予定であるため。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Epigenome-Wide Association Study Identifies a Novel DNA Methylation in Patients With Severe Aortic Valve Stenosis.2020
Author(s)
Nasu T, Satoh M, Ohmomo H, Shiwa Y, Komaki S, Ono K, Shimizu A, Taguchi S, Takahashi Y, Osaki T, Morino Y, Sobue K, Sasaki M.
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Journal Title
Circ Genom Precis Med.
Volume: 13
Pages: e002649
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Association between high-sensitivity cardiac troponin T and future cardiovascular incidence in a general Japanese population: results from the Tohoku medical megabank project.2019
Author(s)
Takahashi Y, Satoh M, Ohmomo H, Tanaka F, Osaki T, Tanno K, Nasu T, Sakata K, Morino Y, Sobue K, Sasaki M
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Journal Title
Biomarkers.
Volume: 24
Pages: 566-573.
DOI
Peer Reviewed
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