2020 Fiscal Year Research-status Report
Genetic Analysis of Familial Hypercholesterolemia using Whole-exome Sequence
Project/Area Number |
19K08553
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川尻 剛照 金沢大学, 医学系, 准教授 (90345637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下島 正也 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (00613754)
多田 隼人 金沢大学, 附属病院, 助教 (90623653)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 家族性高コレステロール血症 / 網羅的遺伝子解析 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性高コレステロール血症(FH)は、かつて低比重リポ蛋白受容体遺伝子変異を主な原因とする単純な優性遺伝性疾患であると考えられていた。しかしながら、臨床的にFHと診断される症例の1/3~1/4の原因遺伝子を同定できないことが知られている。近年、効果量の小さいさまざまな遺伝子変異・多型が一個人に重積した「多遺伝子家族性高コレステロール血症」の概念が浸透してきた。 わが国における「多遺伝子家族性高コレステロール血症」を効率的に拾い上げるため、まず、臨床的にFHと診断された553名を対象にジェノタイピングを行った。遺伝子解析は、金沢大学で確立した「脂質代謝に関連する遺伝子の網羅的解析」スキーム(HaloPlexターゲットエンリッチメントシステムによりキャプチャし、解析は卓上型次世代シーケンサーを用いる)を用いた。 バイオバンクジャパンにより集められたサマリーを用い、各々の症例につき約360万変異からLDL-C値に関する多遺伝子リスクスコアを計算した。遺伝子変異が確定したFHに比較し、遺伝子変異を認めず臨床的に診断されたFHで多遺伝子リスクスコアが有意に高かった(0.0723 vs. 0.199)。効果量の少ない複数の遺伝子多型が、遺伝子変異を認めないFHの臨床像に影響していると推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子解析は、金沢大学で確立した「脂質代謝に関連する遺伝子の網羅的解析」スキーム(HaloPlexターゲットエンリッチメントシステムによりキャプチャし、解析は卓上型次世代シーケンサーを用いる)により臨床的に家族性高コレステロール血症(FH)と診断された552名に対し、ジェノタイピングを行った。候補遺伝子の絞り込みは、エクソーム隠れマルコフモデル(XHMM)ソフトウエアを用いたin silico解析、Multiplex Ligation Probe Amplification(MLPA)法で検証した。 その後、DDBJに公開データとして登録されているBioBank Japan約20万人分の日本人ゲノムデータを用いたLDL-Cを表現型としてゲノムワイド関連解析の結果を参考に、ジェノタイピングを行った臨床的FHそれぞれの多遺伝子リスクスコアを計算した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、多遺伝子FH候補症例からiPS細胞を樹立し、細胞機能を検討する予定であったが、現在のところ、多遺伝子リスクスコアが突出して高い症例を同定できなかった。引き続き、多遺伝子FHの抽出を試みる一方、多遺伝子リスクスコアと冠動脈疾患を含めたFHの臨床像を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
現在のところ、多遺伝子リスクスコアが突出して高い症例の同定に至らなかったため、予定していたiPS細胞の樹立を行うに至らなかったため余剰金が生じた。引き続き、多遺伝子家族性高コレステロール血症の抽出を試みる一方、多遺伝子リスクスコアと冠動脈疾患を含めたFHの臨床像を検討する予定である
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Impact of concomitant peripheral artery disease on contrast-induced acute kidney injury and mortality in patients with acute coronary syndrome after percutaneous coronary intervention2020
Author(s)
Nakahashi T, Tada H, Sakata K, Yakuta Y, Yoshida T, Tanaka Y, Nomura A, Terai H, Horita Y, Ikeda M, Namura M, Takamura M, Kawashiri MA.
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Journal Title
Heart Vessels.
Volume: 35
Pages: 1360-1367
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Heterozygous ABCG5 Gene Deficiency and Risk of Coronary Artery Disease2020
Author(s)
Nomura A, Emdin CA, Won HH, Peloso GM, Natarajan P, Ardissino D, Danesh J, Schunkert H, Correa A, Bown MJ, Samani NJ, Erdmann J, McPherson R, Watkins H, Saleheen D, Elosua R, Kawashiri MA, Tada H, Gupta N, Shah SH, Rader DJ, Gabriel S, Khera AV, Kathiresan S.
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Journal Title
Circ Genom Precis Med.
Volume: 13
Pages: 417-423
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Prevalence, self-awareness, and LDL cholesterol levels among patients highly suspected as familial hypercholesterolemia in a Japanese community2020
Author(s)
Tada H, Shibayama J, Nishikawa T, Okada H, Nomura A, Usui S, Sakata K, Hashiba A, Inazu A, Takamura M, Kawashiri MA.
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Journal Title
Pract Lab Med.
Volume: 19
Pages: e00181
DOI
Peer Reviewed
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