2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of efficient myocardial direct reprogramming method using miRNA and elucidation of its molecular basis.
Project/Area Number |
19K08562
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三井 薫 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (40324975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小戝 健一郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90258418)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再生医療 / 心筋細胞 / miRNA / アデノウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ヒトES細胞の心筋分化系の解析において得られた心筋分化特異的に発現する複数のマイクロRNAの中から、心筋ダイレクトリプログラミング促進因子の同定を行い、心筋直接分化誘導の効率化とその分子基盤の解明を目指した研究に取り組んでいる。
1)線維芽細胞から心筋系統細胞への新たな直接分化誘導系の確立:これまでに、ヒトあるいはマウス線維芽細胞に我々が同定した心筋特異的マイクロRNAを導入し、心筋関連遺伝子の発現が上昇するマイクロRNAについて検討を行った。さらに心筋直接リプログラミングを促進するマイクロRNAを見出すため、まずコントロールとして既報(Muraoka et al 2014)のTbx5, MEF2C, GATA4, MESP1, MYOCD, miR-133の分化誘導因子を用いたヒト線維芽細胞からの心筋直接リプログラミングを試みた。しかしながら心筋細胞へと分化させることができなかったため、他の既報の方法を用いた心筋直接リプログラミングについて検討を行い、心筋分化誘導を促進するマイクロRNAを見出す実験を行っている。今後もこれまでにスクリーニングにより心筋分化誘導時に発現が上昇した新なマイクロRNAや発現が現象したマイクロRNAにのinhibitorについて引き続き検討を行う。またマイクロRNAのみで心筋直接リプログラミングが効率的に行えることが可能かについても検討する。 2)心筋発生時期特異的な新たな発現調節アデノウイルスベクターの作製:我々が独自開発した細胞単離法であるACT-SC法に用いる発現調節アデノウイルスベクターについて、ヒト心筋細胞発現遺伝子である、Mlc2a(心房筋)、Mlc2v(心室筋)のpromoterを持つベクターの作製を進めている。今後ヒトES細胞由来心筋分化細胞を用いて、対象とする心筋系統細胞の可視化について検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コントロールとして既報(Muraoka et al 2014)のTbx5, MEF2C, GATA4, MESP1, MYOCD, miR-133の分化誘導因子を用いてヒト線維芽細胞からの心筋直接リプログラミングを試みたが、線維芽細胞を心筋細胞へと分化させることができなかったため、他の既報の方法等についての心筋分化誘導について検証を追加した。そのため予想外に心筋直接リプログラミングの系の立ち上げに時間が掛かったことからやや遅れているとした。マイクロRNAの解析は進んでいるため、遅れは来年度には取り戻せると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、細胞種を心筋直接リプログラミングを行い、心筋直接リプログラミングを促進するマイクロRNAを見出す実験を行う。 心筋分化特異的に発現する複数のマイクロRNAに加えて、分化に従い発現が抑制されたマイクロRNAに対応するinhibitorなどを組み合わせても検討し、ヒトあるいはマウス線維芽細胞において心筋誘導を改善するマイクロRNAがないか検討する。 またマイクロRNAのみで心筋直接リプログラミングが効率的に行えることが可能かについても検討する。
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Causes of Carryover |
本年度の予算はほぼ計画通りに使用したが、分化誘導した心筋系統細胞の機能検証の一部を次年度に行うことにしたため、計上していた予算よりも低い研究費で行うこととなった。また旅費については、年度末に参加を予定していた学術集会が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により中止となったため、計上していた予算よりも低い実支出額となった。これらは次年度に物品費として計上して、分化誘導した心筋系統細胞の機能検証等に使用する計画である。
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